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極微量化学物質の分析

概要

 極微量物質の測定は、非常に高度な技術が必要であり、人員の資質や技術レベルの向上、品質システムに基づいた精度管理が不可欠です。
  当社は、国内最大数の高分解能GC-MSを有し、ダイオキシン類の分析法開発当初から長年たずさわってきました。そして、ダイオキシン類のみならず、 極微量化学物質についてあらゆる試料・目的に対応できる機関として、国内外から高い評価を得ています。

対象化合物

極微量化学物質の一例

対象 主な分析方法
ダイオキシン類 ポリ塩化ジベンゾパラジオシン(PCDDs)
ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDFs)
コプラナ-ポリ塩化ビフェニール (Co-PCBs)またはDL-PCB
GC-HRMS (EI)*
ポリ塩化ビフェニール類(PCB) ポリ塩化ビフェニール類(PCB) GC-HRMS (EI)
水酸化PCBs(HO-PCB) 誘導体化 GC-HRMS (EI)
POPs類 アルドリン、ディルドリン、ヘプタクロル、ヘキサクロロベンゼン(HCB)、マイレックス、エンドリン、DDT、クロルデン GC-HRMS (EI)
トキサフェン GC-HRMS, GC-MS (NCI)*
New POPs
(COP4以降追加)
ペルフルオロ(オクタン-1-スルホン酸)(PFOS)
ペルフルオロ(オクタン酸)(PFOA)

クロルデコン
LC-MS/MS ESI(-)*
ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD) LC-MS/MS (APCI(-))*
ペンタクロロベンゼン(PeCB)
α-ヘキサクロロシクロヘキサン(α-HCH)
β-ヘキサクロロシクロヘキサン(β-HCH)
γ-ヘキサクロロシクロヘキサン(γ-HCH、リンデン)
ヘキサブロモビフェニル(HxBB)
テトラブロモジフェニルエーテル
ペンタブロモジフェニルエーテル
ヘキサブロモジフェニルエーテル
ヘプタブロモジフェニルエーテル
デカブロモジフェニルエーテル(DecaBDE)
GC-HRMS (EI)
エンドスルファン GC-HRMS (NCI or EI)
ペルフルオロ(オクタン-1-スルホニル)=フルオリド(PFOSF) GC-MS
ポリ塩化ナフタレン(PCN)
ペンタクロロフェノール(PCP)とその塩及びエステル類
GC-HRMS (EI)
短鎖塩素化パラフィン(SCCP)等 GC-HRMS (NCI or EI)
ヘキサクロロブタジエン(HCBD) GC-MS
外因性内分泌攪乱物質
(環境ホルモン)
オクチルフェノール、ビスフェノールA、ノニルフェノール GC-MS
臭素化ダイオキシン類 ポリ臭素化ジベンゾパラジオキシン(PBDDs)、ポリ臭素化ジベンゾフラン(PBDFs) GC-HRMS (EI)
臭素系ダイオキシン類 ポリハロゲン化ジベンゾパラジオキシン(PXDDs)、ポリハロゲン化ジベンゾフラン(PXDFs) GC-HRMS (EI)
臭素系難燃剤 ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD) LC-MS/MS (APCI(-))
ポリブロモビフェニール(PBB)、ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)
2,4,6-Tribromophenol (TrBPh)
Bis(tribromophenoxy)ethane (BTBPE)、Tetrabromobisphenol A (TBBPA)
Decabromodiphenyl ethane (DBDPE)他
GC-HRMS (EI)
多環芳香族炭化水素類(PAHs)
[食品グリーン調達]
ナフタレン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、ピレン、シクロペンタ[cd]ピレン、ベンゾ[a]アントラセン、クリセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、ベンゾ[c]フルオレン、ベンゾ[e]ピレン、ベンゾ[a]ピレン、インデノ[1,2,3-cd]ピレン、ベンゾ[g,h,i]ペリレン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、ジベンゾ[a,e]ピレン、ジベンゾ[a,h]ピレン、ジベンゾ[a,i]ピレン、ジベンゾ[a,l]ピレン、ニトロ化PAHs、メチル化PAHs等 GC-HRMS (EI)

*MSイオン化の方法・・・EI:電子イオン化法 NCI:負化学イオン化法 ESI:エレクトロスプレーイオン化法 APCI:大気圧化学イオン化法

試料

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GC-HRMS機器分析室

大気、水質、土壌、底質、灰、ばいじんなどの環境試料
ヒト生体(血液、母乳など)、生物などの生体試料
食品、農作物、材料、化成品などの試料
焼却炉解体工事に伴う作業環境 など

実績

■極微量化学物質の分析に係る実績の一例

 最新の高性能・高感度分析機器(GC-HRMS,LC-MS/MS,GC-TOFMS,LC-TOFMSなど)による新しい分析方法の研究・開発に取り組み、その成果を学会等で多数発表しています。 特に、省庁の各種マニュアル等作成・測定方法の確立に参画するなど、極微量化学物質の分析の先駆者として国内外から高い評価を得ています。
 また、大学・研究機関・産業界との共同研究、科学研究費の研究支援、受託分析協力等、産官学との積極的な連携による実績が多数あります。
 詳しくは業務案内「研究開発」をご覧ください。

■精度管理体制

 ダイオキシン類の分析に関して、平成14年度に「ISO/IEC 17025」の認証取得、特定計量証明事業者認定制度(MLAP) で認定特定計量証明事業者として認定されるなど、国内で最高水準の精度管理を実施しています。
 また、外部精度管理として、国内外のダイオキシン類やPOPs等の技能試験に継続して参加し、ほぼ中央値を維持した満足な成績を収めています。

関連情報

20200605