概要
臭素系難燃剤
概要
当社は、環境省の各種調査研究(電気・電子製品等からの臭素系難燃剤等の放散量の調査、臭素系難燃剤の廃棄物処理施設からの排出経路・形態の調査、環境試料・生体試料中の濃度測定)に関わるなど、豊富な実績があります。また国際クロスチェックにも参加しています。
臭素系難燃剤とは
臭素系難燃剤(Brominated Flame Retardants 、BFR)とは、難燃剤として使用されている、臭素原子を含む系難燃剤のことを指し、難燃効率の高さで広く使用されています。難燃剤としては、かつては塩素系のものが使用されていましたが、有害物質発生の問題から臭素系のものに替わったという経緯があります。
しかし、臭素についても環境や健康への影響が懸念され、物質によっては国際的に様々な規制等により使用が制限されています。過去に製造され、使用されている製品には依然としてこれらの有害化学物質が含まれています。また、環境中でもこれらの物質が存在することが確認されています。
主な臭素系難燃剤の種類を以下に示します。
これ以外にも、当社では2,4,6-Tribromophenol (TrBPh)、Bis(tribromophenoxy)ethane (BTBPE)、Tetrabromobisphenol A (TBBPA)、Decabromodiphenyl ethane (DBDPE)等の分析が可能です。
表 主な臭素系難燃剤の種類
分類 | 構造式 |
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ポリブロモビフェニル(PBB) |
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ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE) |
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ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD) |
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法規制・規格
臭素系難燃剤の規制について
臭素系難燃剤の海外での規制については、PBDE(テトラ、ペンタ、ヘキサ及びヘプタブロモジフェニルエーテル)及びPBB(ヘキサブロモビフェニル)は、POPs条約の第4回締約国会議(COP4、2009年5月)で、DecaDBE(デカブロモジフェニルエーテル)は、第8回締約国会議(COP8、2017年5月)で、附属書A(廃絶)への追加が決定されました。
また、ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)は、POPs条約第6回締約国会議(COP6、2013年4~5月)において、附属書Aへの追加が決定されました。
なお、POPs条約以外の規制として、欧州においては、自動車製品を対象としたELV指令(使用済み自動車から発生する有害物質規制指令:End of Life Vehicles)や、電気・電子機器を対象としたRoHS指令(電気・電子機器中の特定有害物質の使用制限指令:Restriction of the use of certain Hazardous Substances)などにより、環境負荷物質の使用制限があります。
当社では、これらの製品中の臭素系難燃剤の測定を実施しています。
詳しくは業務案内「PBB/PBDE」をご覧ください。
関連情報
20120827