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生分解性プラスチックの開発
生分解性プラスチックの開発における課題解決をお手伝いいたします。

生分解性プラスチックの市場導入と新たな素材開発
市場導入された生分解性プラスチックの製品例として、食品包装材、農業用資材、歯ブラシ、スプーン、ストロー、レジ袋等が挙げられます。天然物系(セルロース系)や微生物産生系(PHA)、化学合成系(PLA、PCL、ポリブチレンサクシネート系)といった、さまざまな種類があり、性能や環境適応性の向上のため、新たな複合材料や機能性材料、分解プロセスを促進する添加剤の開発も進んでいます。
生分解性プラスチックの課題
生分解性プラスチックの設計・開発・市場導入における課題として、下記が挙げられます。
・分解条件の制約(特定の条件でのみ分解する、自然環境では分解が進みにくい等)
・性能の限界(分解性と耐久性のトレードオフ)
用途に応じた分解設計には、分解メカニズムの理解が必要ですが、分解過程でどのように断片化・水溶化・低分子量化しているかを調査した事例はほとんどありません。
当社開発の分析技術で分解メカニズムを明らかに
当社はこれらの課題解決の一助となる情報を提供するため、生分解性プラスチックの分解過程における分解物(中間生成物)を分析する技術を開発しました。本技術は国際誌に研究成果として掲載されており、どのように分解するかを考察するための情報提供が可能です。
研究成果についてはこちらをご覧ください。
Polymer Degradation and Stabilityに掲載された論文の概要
https://www.shimadzu-techno.co.jp/news/gakkai/ronbun_1.html
分析・試験項目
【特性評価】
分類 | 特徴 | 主な手法 | |||
---|---|---|---|---|---|
生分解性 | 生分解度試験 | 生分解性評価のための規格試験を行います。試験中および試験前後の試料外観観察も可能です。 | 海洋生分解度試験 | 土壌生分解度試験 | コンポスト生分解度試験 | OECD301F | ||
速度制御・ メカニズム |
目的に応じた分解中間物の分析方法をご提案します。 | 分解中間物の分析 | |||
安全性 | 分解物確認 | ||||
吸脱着性確認 | プラスチックに吸脱着する化学物質の分析を行います。 | 吸着・脱離試験 | |||
含有調査 | 有機分析 | 各種クロマトグラフを活用し、プラスチックに含まれる添加剤等の有機化合物を定性・定量分析します。 | GC/MS | LC/MS GC-Orbitrap/MS | LC-Orbitrap/MS |
||
無機分析 | プラスチックに含まれる無機元素の濃度を測定します。最適な前処理や測定方法をご提案します。 | ICP/MS | ICP/OES | IC | EDX |
【物性分析】
分類 | 分析の特徴 | 主な分析手法 | |
---|---|---|---|
組成/構造 | 構造解析 | プラスチックの分子構造・結晶構造の情報を解析します。 | XRD | FTIR | ラマン分光法 |
内部観察 | 外観だけでは判断できない内部の構造の違いや、不具合、亀裂、劣化などを確認できます。 | マイクロフォーカスX線CT | |
物性/熱特性 | 熱物性評価 | 低温・高温下などの条件での、プラスチックの状態を測定します。 | TG-DTA | DSC | TMA |
物性評価 | 粒子径、細孔の大きさの分布、表面積、密度を測定します。 | 粒度分布 | 細孔分布 | 比表面積 | 密度 | |
粘度測定 | 熱可塑性樹脂の粘性や弾性を測定します。 | 音叉振動式粘度計 | レオメーター | |
ぬれ性評価 | プラスチックの撥水性や親水性を評価します。接触角、真円度、ぬれ面積の算出も可能です。 | ぬれ性評価装置 | |
機械特性/耐久性 | 静的試験 | プラスチックに引張・圧縮・曲げなどの力を与え、試験力(応力)や伸び、ひずみの度合いを測定します。 | 引張試験 | 圧縮試験 | 曲げ試験 |
動的試験① | 実使用環境下で想定される衝撃や疲労を与えたときに生じるひずみや変形の量 などの動的性質を評価する試験です。 | 疲労試験 | 耐久試験 | |
動的試験② | プラスチックの試験片や部品などに高速で負荷を与え、動的負荷時の破壊特性・破壊形態を測定することができます。 | 高速引張試験 | パンクチャー衝撃試験 | |
硬度測定 | プラスチックの硬度測定(ビッカース硬さ、マルテンス硬さ)、弾性率測定、強度測定を行います。 | 硬さ試験 | 微小圧縮試験 | |
画像解析 | 試験片表面にスプレーなどで塗布して、模様の変化を画像解析することで、表面ひずみ分布の時間的変化を解析します。 | デジタル画像相関法 |
実績
- 八十島 誠、苗田 千尋、藤田 遼、中尾 隆美、峯 孝樹、嶽盛 公昭
:分解性 / 非分解性プラスチックへのPAHsの吸着と胆汁酸への脱離
第59回日本水環境学会年会 2025年3月17日~19日 - Measurement of monomers and oligomers (≤20mer) as intermediates using LC–Orbitrap MS from marine biodegradation of poly(3-hydroxybutyrate-co-3-hydroxyhexanoate) in laboratory
Makoto Yasojima, Kana Kuroishi-Kawabe, Chihiro Nouda-Ibushi, Ryo Fujita, Takaki Mine, Hiroaki Takemori, Masao Kunioka
Polymer Degradation and Stability Volume 232, February 2025, 111166
https://doi.org/10.1016/j.polymdegradstab.2024.111166
論文の概要(日本語)はこちら - 八十島 誠、苗田 千尋、藤田 遼、峯 孝樹、嶽盛 公昭
:質量分析は海洋生分解性プラスチックの分解を捉えられるか?
第27回水環境学会シンポジウム 2024年9月11日~13日 - 八十島 誠、苗田 千尋、藤田 遼、中尾 隆美、峯 孝樹、嶽盛 公昭
:分解途上の海洋生分解性プラスチックへのPAHの吸着と胆汁酸への脱離
第27回水環境学会シンポジウム 2024年9月11日~13日 - 八十島誠、黒石佳奈、苗田千尋、藤田遼、峯孝樹、嶽盛公昭
:海洋生分解性プラスチック分解中間物の測定および分解メカニズムに関する研究
第3回環境化学物質合同大会 2024年7月2日~5日 - 黒石佳奈、苗田千尋、江頭佳奈、峯孝樹、嶽盛公昭、八十島誠
:海洋生分解性プラスチックの生分解度と分解生成物量の関係
第26回日本水環境学会シンポジウム 2023年9月20日~22日 - 黒石佳奈、苗田千尋、江頭佳奈、森岡千香子、峯孝樹、嶽盛公昭、八十島誠
:生分解度測定法の高度化を目指した海洋生分解性プラスチックの生分解度指標となる分解生成物の探索
第2回環境化学物質3学会合同大会 2023年5月30日~6月2日 - 黒石佳奈、苗田千尋、江頭佳奈、森岡千香子、藤原英里奈、峯孝樹、嶽盛公昭、八十島誠
:質量分析を用いた海洋生分解性プラスチックの分解過程における特性変化に関する研究
第57回日本水環境学会年会 2023年3月15日~17日 - 苗田千尋、黒石佳奈、藤原英里奈、江頭佳奈、森岡千香子、嶽盛公昭、八十島誠
:海洋生分解性プラスチックの分解メカニズムの解明および安全性評価に関する研究
島津評論、Vol.79[1・2], 39~48(2022) - 黒石佳奈、苗田千尋、江頭佳奈、嶽盛公昭、八十島誠
:生分解メカニズム解明に向けた海洋生分解性プラスチックの分解生成物の定性・定量評価
第25回日本水環境学会シンポジウム 2022年9月6日~7日 - 黒石佳奈、苗田千尋、藤原英里奈、森岡千香子、江頭佳奈、嶽盛公昭、八十島誠
:新たな生分解度測定法の開発を目指した海洋生分解性プラスチックの分解生成物の定量、
第56回日本水環境学会年会、2022年3月16日~18日 - 黒石佳奈、森岡千香子、江頭佳奈、嶽盛公昭、八十島誠
:海洋生分解性プラスチックの分解生成物の定量・前処理条件の検討、
第24回日本水環境学会シンポジウム、2021年9月14日~15日 - 江頭佳奈、友野卓哉、嶽盛公昭、八十島誠
:LC-TOFMSを用いた生分解性プラスチックの分解生成物の探索、
京都大学環境衛生工学研究会第43回シンポジウム、2021年7月30日~31日
*優秀ポスター賞受賞 - 藤原英里奈、苗田千尋、嶽盛公昭、八十島誠
:石油系プラスチック及び海洋生分解性プラスチックへの化学物質収着実験条件の最適化並びに収着特性
第29回環境化学討論会 2021年6月1日~6月3日
20250115
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