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海洋生分解性プラスチックの生分解度試験

概要

 既存の海洋生分解度試験は試験期間が最大2 年と長く、結果のご提示まで長期間お待ちいただかなければなりませんでした。当社では、NEDO プロジェクト「海洋生分解性プラスチックの社会実装に向けた技術開発事業」委託業務( JPNP20008 )で開発・提案中の ISO/CD18957 (試験期間の短縮を目的として開発された試験方法)による生分解度試験の実施が可能です。

 PHB(粉末)を用いて ISO/CD18957 と既存法( ISO023977-2 )の分解速度を比較した結果、生分解度50%に達する日数は 1/2 (表1 )、生分解度曲線がプラトーに達する日数は 2/3 (表2 )に短縮されました。このことから、ISO/CD18957 による海洋生分解度試験は、結果のご提示までの日数を短縮できる可能性があり、素材開発のスピードアップが期待されます。

  •  表1:PHB粉末の生分解度 50%に達する日数 [日]

     ISO/CD18957  ISO23977-2 期間
    8 16 1/2
     

     表2:PHB粉末の生分解度曲線がプラトーに達する日数 [日]

     ISO/CD18957  ISO23977-2 期間
    40 60 2/3

 


 また、OECD301F 等の生分解性に関する各種規格試験や、規格に囚われないオーダーメードの生分解度試験、粉末やフィルム以外のサンプル(例えば成形品など)の生分解度試験、写真撮影による分解の経過観察(図1 および 図2 )など、各種生分解性データについて取得のお手伝いが可能です。

生分解性プラスチック製品の分解経過

図1. 生分解性プラスチック製品(ストロー)の分解経過観察

 

  • SEM表面観察写真

    ①SEM表面観察写真

  • ②	①の四角部分の[×800倍]SEM表面観察写真

    ②   ①の部分の[×800倍]SEM表面観察写真

  • ②の四角部分の[×2,000倍]SEM表面観察写真

    ③ ②の部分の[×2,000倍]SEM表面観察写真

  • ③の四角部分の[×4,000倍]SEM表面観察写真

    ④    ③の部分の[×4,000倍]SEM表面観察写真

図2. 生分解度試験後の生分解性プラスチック(生分解度およそ11%)のSEM表面観察

 


 生分解度試験と同時に、各種分析装置を用いた原料の不純物分析や、プラスチック添加剤の分析、元素分析、各種試験機を用いた物性測定・構造解析、表面・形態観察、材料・機械試験等も可能ですので、お気軽にご相談ください。

 

*当社は海洋生分解性の認定試験機関ではありませんので、報告書を認証取得にご利用いただくことは出来ません。

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