標準納期
10 営業日~
水道水・井戸水・ミネラルウォーター・河川水・地下水・排水など、水試料中のPFAS分析を承ります。環境水中のPFOS・PFOA分析についてISO/IEC 17025認定を取得しています。
水のPFAS規制は、試料の種類によって根拠となる法律が異なります。水道法・水質汚濁防止法・食品衛生法の3つの法律と、飲用井戸を対象とする国の通知が並行しており、それぞれ求められる対応も違います。まず、ご自身の試料がどれに当たるかをご確認ください。
2026年10月現在
2026年4月1日、水道水のPFOS・PFOAが「水質基準項目」になりました
それまでは水質管理目標設定項目の「暫定目標値」で、検査は努力義務でした。改正後は検査の実施と基準の遵守が法的な義務になっています1。
数値は50 ng/Lのまま変わっていません。変わったのは、守れなかったときの責任の所在です。水道事業者・簡易水道・専用水道には、おおむね3か月に1回の検査が義務づけられ、水質検査計画への明示も必要になりました2。
| 対象 | 物質・数値 | いま求められること |
|---|---|---|
| 水道水 水道法 |
50 ng/L PFOS+PFOA |
検査義務あり 2026年4月1日から水質基準項目。おおむね3か月に1回の検査と、基準の遵守が義務です。超過時は速やかな情報提供・応急対応が求められます1,2。 |
| 水道水 水道法・要検討項目 |
目標値なし 要検討PFAS 8物質 |
監視段階 2025年6月30日に設定。PFHxS・PFBS・PFBA・PFPeA・PFHxA・PFHpA・PFNA・HFPO-DAの8物質です。目標値はありませんが、自治体によっては自主的に測定しています3。 |
| 飲用井戸 飲用井戸等衛生対策要領 |
50 ng/L PFOS+PFOA |
検査項目に追加 水道水の基準改正にあわせて要領が改正され、定期水質検査の項目にPFOS・PFOAが加わりました4。 |
| ミネラルウォーター類 食品衛生法 |
50 ng/L PFOS+PFOA |
成分規格 2025年6月、殺菌または除菌を行うものについて成分規格が設定されました。製造・販売事業者は、原水と製品の管理が必要です3,5。 |
| 河川・湖沼・地下水 水質汚濁防止法 |
50 ng/L PFOS+PFOA |
指針値 要監視項目。2025年6月30日の通知で「指針値(暫定)」から「暫定」が外れました。数値は変わっていません1。 |
| 排水 水質汚濁防止法 |
— 基準なし |
基準は未設定 PFASの排水基準はまだありません。ただし公共用水域や地下水で検出された場合、発生源の追跡調査が行われることがあります。事前に自社の排水を把握しておく意味は小さくありません6。 |
基準値の見直しは国内外で続いています。環境省の審議会では、科学的知見に基づく検討が続いています2。海外では、規制値の水準だけでなく、対象とする物質の範囲や数値の表し方も国・地域によって異なります(下記)。
| 国・地域 | 内容 |
|---|---|
| 米国 飲料水 |
2024年4月、PFOA・PFOS 各4.0 ng/L、PFHxS・PFNA・HFPO-DA 各10 ng/L、およびこれら3物質とPFBSの混合物についてハザードインデックス1を、最大汚染物質濃度(MCL)として設定しました7。2026年5月、米国環境保護庁(EPA)は、PFOA・PFOSの値を維持したうえで、水道事業者の申請により遵守期限を2029年から2031年まで延長できるとする規則案と、PFHxS・PFNA・HFPO-DA・ハザードインデックスの規制を撤回する規則案を公表しました8,9。2026年10月現在、いずれも規則案の段階です。 |
| EU 飲料水 |
飲料水指令は、指定20物質の合計(Sum of PFAS)0.10 µg/Lと、PFAS全体(PFAS Total)0.50 µg/Lの2つの基準値を定め、加盟国はいずれか一方または両方を用います。2026年1月12日から適用されています10。 |
| EU 表流水・地下水 |
Directive (EU) 2026/805(2026年5月発効)により、表流水について25物質(トリフルオロ酢酸(TFA)を含む)の環境基準が設けられました。各物質の濃度に相対効力係数(RPF)を乗じてPFOA当量に換算し、その合計を年平均値4.4 ng/Lと比較します。生物(魚類)中の基準も別に定められています。地下水については、飲料水と同じ20物質の合計に加え、PFHxS・PFOS・PFOA・PFNAの4物質の合計に0.0044 µg/L(4.4 ng/L)の基準が設けられました。加盟国は2027年12月までに国内法化します12,13。 |
※EUの表流水の4.4 ng/Lは、PFOA当量の合計です。各物質の実濃度を足し合わせた値ではありません。
たとえばTFAの相対効力係数は0.002であり、TFAだけで4.4 ng/L当量に達するのは実濃度2.2 µg/Lのときです11。
EUの表流水のPFAS基準は、25物質の実濃度の単純合計ではありません。各物質の濃度を相対効力係数(RPF)で重み付けしたPFOA当量の合計で評価します。同じ1 ng/Lでも、PFNA(RPF 10)とTFA(RPF 0.002)では基準への寄与が5,000倍異なります11。
Directive (EU) 2026/805が表流水の環境基準の対象とする25物質と、各物質のRPFを示します。各物質の濃度にRPFを乗じた値の合計がPFOA当量の合計で、その年平均値を4.4 ng/Lと比較します。生物(魚類)については、PFOA当量の合計で0.077 µg/kg(湿重量)の基準が別に定められています。附属書の注記では、魚の摂食に関わるこの生物の基準が決定的な基準(critical EQS)であり遵守しなければならないこと、水の年平均値はこれと同等の保護水準ではないことが示されています12。
| 区分 | 略称 | 物質名 | RPF | 当社の対応 |
|---|---|---|---|---|
| ペルフルオロカルボン酸(13) | PFBA | Perfluorobutanoic acid | 0.05 | ○ 多項目分析(107種) |
| PFPeA | Perfluoropentanoic acid | 0.03 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFHxA | Perfluorohexanoic acid | 0.01 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFHpA | Perfluoroheptanoic acid | 0.505 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFOA | Perfluorooctanoic acid | 1 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFNA | Perfluorononanoic acid | 10 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFDA | Perfluorodecanoic acid | 7 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFUnDA | Perfluoroundecanoic acid | 4 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFDoDA | Perfluorododecanoic acid | 3 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFTrDA | Perfluorotridecanoic acid | 1.65 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFTeDA | Perfluorotetradecanoic acid | 0.3 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFHxDA | Perfluorohexadecanoic acid | 0.02 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFODA | Perfluorooctadecanoic acid | 0.02 | ○ 多項目分析(107種) | |
| ペルフルオロスルホン酸(6) | PFBS | Perfluorobutane sulfonic acid | 0.001 | ○ 多項目分析(107種) |
| PFPeS | Perfluoropentane sulfonic acid | 0.3005 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFHxS | Perfluorohexane sulfonic acid | 0.6 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFHpS | Perfluoroheptane sulfonic acid | 1.3 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFOS | Perfluorooctane sulfonic acid | 2 | ○ 多項目分析(107種) | |
| PFDS | Perfluorodecane sulfonic acid | 2 | ○ 多項目分析(107種) | |
| エーテル型・テロマー型ほか(6) | HFPO-DA(GenX) | Hexafluoropropylene oxide dimer acid | 0.06 | ○ 多項目分析(107種) |
| ADONA | 4,8-Dioxa-3H-perfluorononanoic acid | 0.03 | ○ 多項目分析(107種) | |
| C6O4 | Perfluoro(((5-methoxy-1,3-dioxolan-4-yl)oxy)acetic acid) | 0.06 | △ ご相談ください | |
| 6:2 FTOH | 2-(Perfluorohexyl)ethanol | 0.02 | ○ 多項目分析(107種) | |
| 8:2 FTOH | 2-(Perfluorooctyl)ethanol | 0.04 | ○ 多項目分析(107種) | |
| TFA | Trifluoroacetic acid | 0.002 | ○ 専用分析(イオン交換LC-MS/MS) |
※RPFはPFOAを1とした相対値です12。EUのRPFは、オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)の研究者によるRPFの評価(Bil et al. 2021)に基づいています14,15。その前段となるRIVMの2018年の報告書は、毒性データのないPFHpA・PFPeS・PFHpS・PFTrDAについて、炭素数が隣り合う物質のRPFを上限と下限とする範囲だけを示しています16。Directive (EU) 2026/805がこれら4物質に定めるRPF(0.505、0.3005、1.3、1.65)は、いずれもその範囲の中央の値に相当します(例:PFPeSは、PFBSの0.001とPFHxSの0.6の中央)。○は、当社の分析対象に含まれる物質です。多項目分析(107種)の対象物質はPFAS MANIAのページに掲載しています。
25物質のうち、C6O4を除く24物質を当社で測定し、PFOA当量の合計として報告できます。RPFの大きい物質ほど低い定量下限が必要です。当社の水試料の標準的な定量下限0.1 ng/Lは、PFNA(RPF 10)ではPFOA当量1 ng/L、PFDA(RPF 7)では0.7 ng/Lにあたります。基準値との比較を目的とする場合は、対象物質と定量下限をあらかじめご相談ください。
仮に、ある表流水の試料から次の濃度が得られたとします。各物質の濃度にRPFを乗じ、その合計をPFOA当量の合計とします。定量下限未満の物質は、合計の計算では0として扱います17。
| 物質 | 測定値(ng/L) | RPF | PFOA当量(ng/L) |
|---|---|---|---|
| PFNA | 0.20 | 10 | 2.00 |
| PFOS | 0.80 | 2 | 1.60 |
| PFOA | 1.00 | 1 | 1.00 |
| TFA | 500 | 0.002 | 1.00 |
| PFDA | 0.10 | 7 | 0.70 |
| PFHxS | 0.50 | 0.6 | 0.30 |
| PFHxA | 2.0 | 0.01 | 0.02 |
| PFBS | 3.0 | 0.001 | 0.003 |
| その他17物質 | 定量下限未満 | — | 0 |
| 合計 | 約508 | — | 6.6 |
※測定値は説明のための仮の値です。
この例では、PFOA当量の合計は6.6 ng/Lとなり、年平均値の基準4.4 ng/Lを上回ります。測定値そのものの合計(約508 ng/L)はTFAがほぼすべてを占めますが、PFOA当量ではTFA(RPF 0.002)の寄与は1.0 ng/Lにとどまり、PFNA(RPF 10)とPFDA(RPF 7)は実濃度が定量下限付近でも合わせて2.7 ng/Lを占めます。環境基準との比較は、試料ごとに求めたPFOA当量の合計の年平均値で行います12。
排水中のPFASの管理の仕組みは国・地域によって異なり、施設ごとの排出許可、放流先の水質、排出量の削減目標などが用いられています。代表例を示します。
| 国・地域 | 管理の方法 |
|---|---|
| オランダ 施設別の許可 |
PFASを高懸念物質(ZZS)として扱い、排出の回避・最小化と最良利用可能技術(BAT)の適用を求めます。PFASの排水が放流先に与える影響を評価するための一般規則はなく、影響評価を含めて施設ごとの許可で条件を定めます18。 |
| 米国(連邦) 施設別の許可 |
PFASを対象とする業種別の排水基準(ELG)は策定中です。EPAは化学製造業などを対象とする規則案を準備していると公表しています。現行の排出許可制度(NPDES)の下で、施設ごとに条件を設定します19。 |
| 米国(ミシガン州) 放流先の水質値 |
排出許可の判断に、放流先の水質値を用います。飲用水源となる水域ではPFOS 11 ng/L・PFOA 66 ng/L、その他の水域ではPFOS 12 ng/L・PFOA 170 ng/Lです。この値を超えるおそれのある施設には、許可に排水の限度が組み込まれる場合があります20。 |
| ベルギー(フランデレン地域) 許可申請の判定値 |
排水中の個別PFASが報告下限(物質により20 ng/Lまたは50 ng/L)を超える場合、事業者はその物質について排出基準の設定を申請します。既存の排出には12か月の移行期間があります21。 |
| フランス(産業排水) 排出量の削減目標 |
2023年を基準として、2028年2月27日までに70%削減、2030年2月27日までに排出の終了を目指す全国的な削減の軌道を定めています。排出量は、排水中のPFASから給水中のPFASを差し引いた質量で評価します22。 |
| フランス(液状廃棄物処理施設) 放流先の水質 |
放流先の濃度がPFOA当量で4.4 ng/L以下であること、または施設の寄与が0.22 ng/L以下であることを求めます。排水は月1回以上、PFASのほか吸着性有機フッ素(AOF)等を測定します23。 |
※表中の数値は、排出口で守るべき濃度の上限とは限りません。放流先の水質値、許可申請の要否を判断する値、排出量の削減率など、数値の位置づけは国・地域ごとに異なります。
どの規制に該当するか判断しかねる場合も、試料と用途をうかがってご提案します。分析のご相談・お見積り
標準納期
10 営業日~
定量下限値
0.1ng/L〜
必要試料量
1 L〜
※上記は一例です。ご要望に応じて下限値を下げることや、少ない試料量で分析することもできます。詳しくはご相談ください。
水道水・環境水の規制値は50 ng/Lです。標準の定量下限値0.1 ng/Lは、この500分の1にあたります。基準値の超過判定だけでなく、低濃度域での実態把握や経時変化の追跡にも対応できます。
試料と目的によって、適用する試験方法と測定項目が変わります。
| 目的 | 測定項目 | 適用する方法 |
|---|---|---|
| 水道水の基準適合を確認したい | PFOS・PFOA | 水質基準に関する省令に基づく検査方法。水道事業者・簡易水道・専用水道の定期検査に対応します。 |
| 環境水を調べたい (河川・湖沼・地下水) |
PFOS・PFOA | 環境省告示の付表1。この範囲でISO/IEC 17025認定を取得しています。 |
| 要検討PFASまで把握したい | PFOS・PFOA+8物質 | 目標値は設定されていませんが、将来の規制強化や風評リスクに備えて測定する例が増えています。 |
| 排水・工程水の実態を知りたい | 個別分析/AOF等 | 基準がないため、何を測るかは目的次第です。物質を特定するなら個別分析、有機フッ素の量の把握が目的なら吸着性有機フッ素(AOF)等の包括指標によるスクリーニングが有効です。 |
| 海外の取引先へ示したい | 18〜40物質 | 国際規格(ISO 21675)や米国EPA法など、提出先が求める方法に合わせます。 |
| 個別分析で捉えないPFASも把握したい | AOF・EOF/TOP Assay | 個別分析では標準物質のある物質しか測れません。個別分析で捉えない有機フッ素を吸着性有機フッ素(AOF)・抽出性有機フッ素(EOF)等の包括指標で、酸化可能な前駆体をTOP Assayで、補完的に評価します。 |
水のPFAS分析には、国内外に複数の方法があります。対象とする物質の数と、結果を示す相手によって選びます。
| 方法 | 対象物質 | 用途 |
|---|---|---|
| 水質基準に関する省令 2026年4月〜 |
PFOS・PFOA | 水道水の基準適合を判定する方法。検査義務に対応します。 |
| 環境省告示 付表1 令和2年5月28日 |
PFOS・PFOA | 公共用水域・地下水の指針値と比較する方法。当社はこの範囲でISO/IEC 17025認定を取得しています。 |
| ISO 25101 2009年 |
PFOS・PFOA | ろ過しない試料を対象とした国際規格。当社は国際標準化原案の作成委員として参画しました。 |
| JIS K 0450-70-10 2011年 |
PFOS・PFOA 付属書に19物質 |
工業用水・工場排水を対象とした日本産業規格。当社は原案作成委員として参画しました。 |
| ISO 21675 2019年 |
30物質 | 固形物2 g/L未満の水試料を対象とした国際規格。対象範囲が広く、海外の取引先へ示す場合に用いられます。 |
| EPA Method 537.1 / 533 / 1633A 2018〜2024年 |
18 / 24 / 40物質 | 米国環境保護庁の方法。533は短鎖PFASに、1633A(2024年12月改訂)は前駆体を含む幅広い物質に対応します。米国向けの報告で求められる場合があります。 |
どの方法を選ぶかで、測れる物質の数が変わります。国内の公定法はPFOS・PFOAの2物質が中心ですが、国際規格や米国法は30〜40物質を対象とします。国内基準への適合を示すのか、海外の取引先や親会社へ報告するのかによって、適切な選択は変わります。
| ISO/IEC 17025 | ||
| 認定範囲 | PFOS および PFOA | |
| 対象媒体 | 環境水 | |
| 試験方法 | 水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について(環水大水発第2005281号・環水大土発第2005282号)付表1(令和2年5月28日 環境省) | |
水試料中PFAS分析法のJIS原案作成委員、およびISO/TC147(水質)における国際規格ISO 25101の国際標準化原案作成委員として参画しています。環境水中のPFOS・PFOAの調査をはじめ、公的研究機関や大学からのPFAS関連調査を多数受託しています。
本ページに記載の規制情報は2026年8月時点のものです。規制は変更される場合がありますので、確定した要求事項については各当局の最新の情報をご確認ください。分析における定量下限は試料および装置構成により異なります。
2026.10.15 522