概要
不純物として第一種特定化学物質を含有する化学物質の取り扱いについて-第一種特定化学物質の測定・分析-
概要
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)では、人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息・生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境の汚染を防止することを目的とされています。新規化学物質の事前審査、上市後の化学物質の継続的な管理措置、化学物質の性状等(分解性、蓄積性、毒性、環境中での残留状況)に応じた規制及び措置を講じられています。
特に第一種特定化学物質は、難分解性、高蓄積性及び長期毒性又は高次捕食動物への慢性毒性を有する化学物質であり、製造又は輸入の許可(原則禁止)、使用の制限、政令指定製品の輸入制限や第一種取扱事業者に対する基準適合義務及び表示義務等が規定されています。また、工業製品、化学原料、化学物質、原材料や二次製品を製造する際に化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)における第一種特定化学物質が不純物として含まれる(副生される)事例が報告されています。
化審法では、他の化学物質を製造する際に副生される第一種特定化学物質について、「利用可能な最良の技術(BAT:Best Available Technology/ Techniques)」の原則、すなわち第一種特定化学物質を「工業技術的・経済的に可能なレベル」まで低減すべきとの考え方に立ち、副生される第一種特定化学物質の低減方策と自主的に管理する上限値を設定し、厚生労働省、経済産業省、環境省の三省に対して事前確認を受けた上で報告(BAT報告)した場合、副生される第一種特定化学物質が上限値以下で管理されている限り、化審法の第一種特定化学物質として取り扱わないこととして、運用されています。
自ら製造又は輸入する化学物質に第一種特定化学物質が微量に含まれることが認められた場合は、速やかに措置を講じる必要があります。その詳細については、「不純物として第一種特定化学物質を含有する化学物質の取扱いについて(お知らせ)」に示されています。
当社では、BAT報告に必要となる分析データの取得等によりBAT報告をサポートします。
[経済産業省Webサイト]
[経済産業省Webサイト]
第一種特定化学物質は、製造、輸入及び使用が原則禁止されている化学物質です。
「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令」が閣議決定され、2026年11月22日より、「長鎖ペルフルオロアルカン酸(LC-PFCA)とその塩」、「LC-PFCA関連物質」、「クロルピリホス」及び「中鎖塩素化パラフィン(MCCP)」が新たに指定されます。これで第一種特定化学物質は、POPs条約対象物質の39物質に加え、ビス(トリブチルスズ)=オキシド、N,N’-ジトリル-パラ-フェニレンジアミン、N-トリル-N’-キシリル-パラ-フェニレンジアミン又はN,N’-ジキシリル-パラ-フェニレンジアミン、2,4,6-トリ-ターシャリ-ブチルフェノール、2-(2H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ブチルフェノール(別名UV-320)の4物質を加えた、43物質を対象とされます。
不純物として含まれる第一種特定化学物質についても BAT による管理の必要性が示され、HCB、PCB、SCCPについては、下記の基準値が示されました。また、SDSに測定結果に基づく含有値を記載する必要性やプラスチック再生材における管理上限値の考え方が示されました。
・HCB ①TCPA:200 ppm、②TCPAを原料とした顔料又は染料等:10 ppm (TCPA:テトラクロロ無水フタル酸)
・PCB 50 ppm
・SCCP 1重量% (10,000 ppm)
当社で対応可能な測定の一例をご紹介します。化学原料、樹脂、農薬などさまざまな媒体の第一種特定化学物測定に対応可能です。
- 有機顔料中のポリ塩化ビフェニル(PCB)、ヘキサクロロベンゼン(HCBz)、ペンタクロロベンゼン(PeCBz)、ペンタクロロフェノール(PCP)
- テトラクロロ無水フタル酸(TCPA)やTCPAを原料とした顔料又は染料等のヘキサクロロベンゼン(HCBz)
- 短鎖塩素化パラフィン(SCCP)
- 使用済プラスチックを原料の一部として作られたプラスチック再生材 など

分析・調査について
島津テクノリサーチは、製品中に不純物として含まれる第一種特定化学物質のお悩みについてトータルでサポートします。
第一種特定化学物質 受託分析サービス
・スクリーニング分析
プラスチック再生材など均一な原料ではない試料の不含証明に有効です。
・精密分析・個別分析
※一部スクリーニング分析に分析対応できない物質があります。詳細はお問い合わせください。

BATに係る申請用データの取得
| ・ | 工業製品、形成品、化学製品、原料等の各種対応なサンプルについて、調査目的にあった分析方法で対応します。 |
| ・ | GC-HRMSを用いた最適な条件で、PCBを始めとする第一種特定化学物質の詳細な含有量調査をお引き受けします。 (低減方策や副生メカニズムを考えるにあたり、総量だけでなく、同族体や異性体情報など各成分を確認することが重要です。) |
| ・ | 短納期にも対応しますので、ご相談ください。 |
| ・ | 製品中の副生PCBについて、詳しい技術情報はこちらをご参照ください。 |
実績
研究実績
- 廣中航太,石田真穂,何嘉樂,佃未香,宮本健太郎,市丸直人,嶽盛公昭,八十島誠
元素情報と分子情報を組み合わせた再生プラスチック中規制物質の逐次評価法
第34回環境化学討論会(長崎;2026)
関連情報
【参考マニュアル等】(外部リンク)
化成品工業会「有機顔料中に不純物として含有するポリ塩化ビフェニルの自主管理と低減方策について~管理方法作成と事前の報告を行うための留意事項並びに参考資料~」
経済産業省 不純物として第一種特定化学物質が含まれていた場合の手続きについて
不純物として第一種特定化学物質を含有する化学物質の取扱いについて(お知らせ)(PDF)
業務案内
20210315・20260107・20260806