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ICP発光分光分析法による30元素定性分析

2011年11月11日更新

概要

 ICP発光分光分析法は、液体試料にどの元素が(定性)どれくらい(定量)含まれているのかを知るための分析方法です。
 水溶液試料中の約70元素を一斉に測定することが可能です。固体試料の場合は、分解や抽出により水溶液にすることで、測定が可能になります。

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図1 ICP発光分光分析法で測定可能な元素(およびの72元素)

  元素組成の分析は、試料の異同識別で重要な役割を果たします。ここでは飲料水を対象に、環境中に常在する30元素(図1で元素)の定性および濃度推定を行った例を示します。

分析・試験方法

 誘導結合プラズマ(ICP)に液体試料を霧化して導入すると、プラズマ内部で熱エネルギーにより励起され、光を発生します。これを分光器で元素固有のスペクトルに分け(定性)、各スペクトルの強さにより試料に含まれる元素の濃度を測定します(定量)。

図2:ICP発光分光分析装置の構成

図2 ICP発光分光分析装置の構成

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図3 ICP発光分光分析装置 ICPS-8100(島津製作所)

分析・試験事例

 飲料水3種をICP発光分光分析装置に導入し、30元素の検出の有無を調べました。検出された元素については1点検量線法により濃度を推定しました(表1)。
ICP発光分光分析法を用い、主成分~少量成分までの濃度範囲で元素情報が得られました。
今回はICP発光分光分析法で測定しましたが、ICP質量分析法を併用することで、より低濃度まで検出することも可能です。

表1 飲料水の元素定性結果

元素 推定濃度(mg/L) 下限値
(mg/L)
元素 推定濃度(mg/L) 下限値
(mg/L)
水道水 ミネラル
ウォーターA
(国産)
ミネラル
ウォーターB
(輸入)
水道水 ミネラル
ウォーターA
(国産)
ミネラル
ウォーターB
(輸入)
Li N.D. N.D. N.D. 0.05 Co N.D. N.D. N.D. 0.02
Be N.D. N.D. N.D. 0.001 Ni N.D. N.D. N.D. 0.05
B N.D. N.D. N.D. 0.02 Cu N.D. N.D. N.D. 0.05
Na 9 15 4 0.2 Zn 0.01 N.D. N.D. 0.01
Mg 2 5 4 0.001 As N.D. N.D. N.D. 0.2
Al 0.04 N.D. N.D. 0.01 Se N.D. N.D. N.D. 0.5
Si 0.2 15 6 0.05 Sr 0.05 0.1 0.1 0.001
P N.D. N.D. N.D. 0.2 Zr N.D. N.D. N.D. 0.02
K 2 N.D. N.D. 2 Mo N.D. N.D. N.D. 0.05
Ca 15 15 20 0.05 Ag N.D. N.D. N.D. 0.02
Ti N.D. N.D. N.D. 0.005 Cd N.D. N.D. N.D. 0.01
V N.D. N.D. N.D. 0.02 Sn N.D. N.D. N.D. 0.1
Cr N.D. N.D. N.D. 0.02 Sb N.D. N.D. N.D. 0.2
Mn N.D. N.D. N.D. 0.002 Ba 0.01 0.01 0.05 0.01
Fe N.D. N.D. N.D. 0.01 Pb N.D. N.D. N.D. 0.2
元素 推定濃度(μg/L) 下限値
(μg/L)
水道水 ミネラル
ウォータA
(国産)
ミネラル
ウォータB
(輸入)
Li N.D. N.D. N.D. 0.05
Be N.D. N.D. N.D. 0.001
B N.D. N.D. N.D. 0.02
Na 9 15 4 0.2
Mg 2 5 4 0.001
Al 0.04 N.D. N.D. 0.01
Si 0.2 15 6 0.05
P N.D. N.D. N.D. 0.2
K 2 N.D. N.D. 2
Ca 15 15 20 0.05
Ti N.D. N.D. N.D. 0.005
V N.D. N.D. N.D. 0.02
Cr N.D. N.D. N.D. 0.02
Mn N.D. N.D. N.D. 0.002
Fe N.D. N.D. N.D. 0.01
Co N.D. N.D. N.D. 0.02
Ni N.D. N.D. N.D. 0.05
Cu N.D. N.D. N.D. 0.05
Zn 0.01 N.D. N.D. 0.01
As N.D. N.D. N.D. 0.2
Se N.D. N.D. N.D. 0.5
Sr 0.05 0.1 0.1 0.001
Zr N.D. N.D. N.D. 0.02
Mo N.D. N.D. N.D. 0.05
Ag N.D. N.D. N.D. 0.02
Cd N.D. N.D. N.D. 0.01
Sn N.D. N.D. N.D. 0.1
Sb N.D. N.D. N.D. 0.2
Ba 0.01 0.01 0.05 0.01
Pb N.D. N.D. N.D. 0.2

 注1 N.D.は下限値未満であることを表す。

 ICP発光分光分析法を用いて、主成分~少量成分までの濃度範囲で元素情報が得られました。
今回はICP発光分光分析法で測定しましたが、ICP質量分析法を併用することで、より低濃度までの分析や、ICP発光分光分析法が苦手とする希土類の分析等も可能です。
https://www.shimadzu-techno.co.jp/technical/tes/icp72_analysis.html
また、定性分析に限らずICP発光分光分析法を用いた定量分析、ICP質量分析法やICPタンデム質量分析法を用いた定量分析も実施しています。もちろん、それぞれの方法を組み合わせた分析も可能です。試料の性状、目的により適した装置が変わります。どうぞ、お気軽にご相談ください。https://www.shimadzu-techno.co.jp/annai/tes/s08.html

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