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ニトロソアミン原薬関連不純物(NDSRIs)の分析

概要

ニトロソアミン類の混入が国内外で大きな問題となり、各国当局による規制が実施されている中で、原薬または原薬関連の不純物と亜硝酸類との反応(ニトロソ化)によって生成するニトロソアミン原薬関連不純物(Nitrosamine Drug Substance-Related Impurities:NDSRIs)の混入事例が報告されています。
NDSRIsは、当局の指定成分(NDMA,NDEAなど)とは異なり、原薬由来の多様な化学構造を有するため、各成分ごとに分析条件を確立する必要があります。

分析・試験事例

NDSRIsの構造推定

当社ではLC-MS/MSを用いた精密質量分析により、得られた反応生成物の組成式と出発物質の構造式から構造推定が可能です。
一例として、NDSRIs生成系モデルとして2級アミン基を持つプロプラノロールを用いて、苛酷条件(酸性条件、加温など)下でニトロソ化体を生成させ、その検出条件を確立しました。

 
LC-MS/MS TIC(Total Ion Chromatogram)

図 LC-MS/MS TIC(Total Ion Chromatogram)

プロプラノロール/
  •  必要試料量
     ・原薬として0.5g以上(剤形などにより別途協議)
     標準納期
     ・1品目あたり2ヵ月(但し原薬の構造によって別途協議)
  •  

活用事例

NDSRIsのリスク評価

2023年7月7日に、欧州医薬品庁(EMA)が医薬品から検出されたニトロソアミン類の発がん性リスクについて新しい評価方法(CPCA:Carcinogenic Potency Categorization Approach)を提示しました。
当社の構造推定技術により得られた結果を基にCPCAのNDSRIsリスク評価への活用が可能です。

 
図 N-ニトロソアミンのポテンシーカテゴリーを予測するフローチャート

図 N-ニトロソアミンのポテンシーカテゴリーを予測するフローチャート

 

また、 2021年10月8日に厚生労働省より関連する通知「医薬品におけるニトロソアミン類の混入リスクに関する自主点検について」に関連したニトロソアミン類測定および医薬品の品質を担保するため、温度・湿度・光などの影響下でのNDSRIsの経時モニタリング(安定性試験)にも対応しています。
併せて、分析法の検討・開発からICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)のガイドラインQ2およびQ2Bに準拠した分析法バリデーション、各種微量成分の高感度分析まで幅広く対応しています。
 

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