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樹脂のOIT(酸化誘導時間)測定

2014年01月20日更新

概要

 ゴム、プラスチックなどの高分子材料は、成形加工時や使用時に空気中の酸素を吸収することで酸化反応が進行し、 様々な劣化現象が引き起こされます。 その為、一般的に高分子材料には、酸化劣化を防ぐ為に酸化防止剤などの添加剤が加えられています。
 この添加剤効果をDSCにより酸化誘導時間(OIT)を測定することによって評価することができます。
 測定方法は、窒素中で設定温度まで昇温し、目的の温度に達してから雰囲気ガスを窒素から酸素に切り替えます。 そして、切り替えた時間から酸素吸収による発熱ピーク立ち上がりまでの時間を酸化誘導時間(OIT)として評価します。

分析・試験事例

DSCによるポリプロピレン(PP)の耐酸化性の評価

 今回、PPペレットと電子レンジで加熱対応のPP製容器について測定を行い、耐酸化性の評価を行いました。
 図1に示すように、PP製容器のOITは、PPペレットよりも長いことが解りました。 ちなみに、このPP製容器には、耐熱性向上粘土としてタルクが添加されています。
 酸化誘導時間が長い程、酸化防止力が高く、ポリマーの寿命が長いことを示しています。
 このように、DSC測定により得られた酸化誘導時間を劣化度の尺度として用いることが出来ます。

図1 PPの190℃における酸化誘導時間測定結果

図1 PPの190℃における酸化誘導時間測定結果

 また、OIT測定後のPP製容器をFT-IRにより赤外吸収スペクトル測定を行って官能基の変化を確認すると、 C=O由来のピークが生成しており、酸化が進行したことが示唆されます。

図2 PP製容器のIR測定結果

図2 PP製容器のIR測定結果

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