概要
食品中の異物(虫)の観察
概要
異物が何であるかを判別するために、観察は重要な手段です。特に虫のような複雑な立体構造を持つ試料の場合は、形態観察により多くの情報を得ることが出来ます。
穀物(米)や砂糖(フロストシュガー)中に混入した異物について、デジタルマイクロスコープによる形態観察を行った事例を紹介します。
分析・試験事例
穀物(米)中の異物混入
米中に確認された黒色の異物を採取したところ、約4mm程度の虫のように観察されました。
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この虫のような異物をデジタルマイクロスコープで拡大し形態観察を行いました。
今回の虫は、ココクゾウムシという貯穀害虫であることが解りました。貯蔵されている穀物を食い荒らす害虫で米、麦等のイネ科穀物にみられることが知られています。この虫は、口先が象の鼻のような形をしているところが特徴的です。
異物として混入している虫の場合は翅や脚が取れていることが多々ありますが、このように比較的原型を留めていると虫を特定できることもあります。
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【拡大:口先】 |
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砂糖中の混入異物
砂糖中に確認された黒色の異物を採取したところ、2mm程度の虫のように観察されました。
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この虫のような異物をデジタルマイクロスコープで拡大し形態観察を行いました。
虫は、翅の数や形、模様を調べることで判別できることがありますが、異物として混入している虫の場合は翅や脚が取れていることが多々あります。
今回の虫も翅が取れてしまっているため断定はできませんが、外観や複眼の様子から、ハエ目・双翅目昆虫の可能性が考えられます。
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関連情報
36820180117
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