概要


肥料、土壌中のジシアンジアミドの分析
2021年09月17日更新
概要
肥料中に含まれる窒素成分は、硝酸態窒素となり雨水等による流亡・脱窒が起こりやすいことが知られており、さまざまな硝酸化抑制剤が使用されています。
ジシアンジアミドは、土壌中の硝酸化菌の活動を抑制する効果があることから有機肥料への硝酸化抑制剤として使用されており、施肥効果の緩衝性向上によるコスト削減のほか、肥料由来の硝酸態窒素が地下水等へ流出することによる環境負荷の低減なども期待されています。
独立行政法人農林技術消費安全技術センター(FAMIC)発行の「肥料等試験法(2020)」に記載の「6.1.a 高速液体クロマトグラフ法(1)」に則り、市販の肥料中および施肥土壌中のジシアンジアミドの分析を行った例をご紹介します。
分析・試験事例
標準品 ジシアンジアミドを分析した結果を図1に示しました。
標準品濃度 0.015~15 mg/Lの範囲で検量線を作成した結果、良好な直線性を示しました。
<HPLC分析条件>
カラム | : | Shim-pack CLC-NH2 |
移動相 | : | アセトニトリル:メタノール=6:1(v/v) |
検出器 | : | UV検出器(検出波長225nm) |
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図1 標準品 ジシアンジアミドのクロマトグラム
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図2 検量線
市販のジシアンジアミド含有肥料および、施肥土壌に対して、「肥料等試験法」に記載の前処理を行い分析を行った結果を図3、図4に示しました。
試料である土壌に対する施肥量および施肥からの経過時間は不明ですが、施肥土壌処理液中に微量のジシアンジアミドが確認されました。
前処理概要: | メタノールを用いた振とう抽出 |
↓ | |
遠心分離 | |
↓ | |
上澄みを試料とし分析に供する |
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図3 肥料処理液のクロマトグラム
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図4 施肥土壌処理液のクロマトグラム
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