概要
ナイロン66シートの静的引張試験
2021年3月18日
概要
恒温恒湿槽付き疲労・耐久試験機では、温度だけでなく湿度もコントロールした静的/動的試験が可能です。幅広いロードセルラインナップを取揃えているため、さまざまな材質の試験片や部品・実製品の試験にも対応しています。
今回、吸湿性の高いナイロン66シート(厚さ0.3 mm)の静的引張試験を異なる湿度環境下で行った事例をご紹介します。
試験温度は25 ℃で、試験湿度を制御し30% RH、60% RH、90% RHの条件で評価しました。
試料
試験片材質:ナイロン66
分析・試験装置
使用機器
・油圧サーボ式疲労・耐久試験機サーボパルサ EHF-UV 20kN特形 (島津製作所製)
・恒温恒湿槽THC2形 (島津製作所製)
使用機器の仕様
サーボパルサ EHF-UV 20kN特形 (島津製作所製)
項目 | 詳細内容 |
試験力 | Max. ±20 kN |
ストローク | Max. ±50 mm |
負荷周波数 | Max. 100 Hz |
ロードセルの種類 | 100 N、500 N、1 kN、 5 kN、10 kN、20 kN |
制御装置 | 4830形 |
恒温恒湿槽 THC2形(島津製作所製)
項目 | 詳細内容 |
温度範囲 | -60℃~+250℃ |
湿度範囲 | 20~40℃において湿度40~95%RH 40~95℃において湿度20~95%RH |
分析・試験結果
試験条件および試験結果を表1に示します。また、試験力-ストローク線図を図3に示します。
湿度が高いほど、降伏点およびその後の試験力推移はわずかに低くなり、破断ストロークは大きくなる傾向があります。
このように吸湿性のある材料の評価では、湿度の違いによって物性が異なるため、恒湿環境での試験が必要です。
試験条件
試験温度 | : | 25℃ |
試験湿度 | : | 30%RH、60%RH、90%RH |
ロードセル | : | 500 N |
試験治具 | : | アルミ合金製平板つかみ具 |
試験速度 | : | 50 mm/min |
表1 ナイロン66シートの静的引張試験条件および試験結果
試験温度 (℃) |
最大試験力 (N) |
最大試験力 (N) |
破断ストローク (mm) |
25 | 30 | 134.8 | 57.6 |
60 | 139.6 | 64.02 | |
90 | 145.8 | 72.2 |
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