概要
示差走査熱量計(DSC)による低温測定・高速昇温測定
概要
示差走査熱量計(DSC)は、試料と基準物質の温度差から熱物性を高精度に測定する装置です。
融解、結晶化、ガラス転移、酸化反応などの熱変化を解析し、材料の熱安定性、相転移温度、純度評価などに広く用いられます。
ここでは低温域(例:-170 ℃)での特性評価や、熱流束方式での高速昇温(例:150 ℃/min)による迅速な測定事例をご紹介します。
分析・試験方法
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装置
示差走査熱量計(DSC)NETZSCH社 DSC 300 Caliris低温測定
試料 シリコンオイル 温度範囲 -170 ℃~25 ℃ 昇温速度 10 ℃/min 雰囲気 不活性ガス(N2)
高速昇温測定試料 亜鉛(Zn) 温度範囲 25℃~500℃ 昇温速度 150℃/min 雰囲気 不活性ガス(N2) -
装置外観
分析・試験事例
事例1 低温測定
シリコンオイルについて、-170 ℃から25 ℃の範囲でDSC測定を行ったところ、図1に示すように-131 ℃付近にガラス転移に起因するベースラインのシフトが確認されました。
これは一般的な有機シリコンのガラス転移温度(約-120 ℃~約-135 ℃)と一致しています。
冷却システム(液体窒素冷却)により、低温環境下の材料特性評価を高精度に測定できます。
図1 シリコンオイルのDSC曲線
事例2 高速昇温測定
亜鉛を試料として、25 ℃~500 ℃の範囲を150 ℃/minの高速昇温条件でDSC測定を行いました。図2に示すように、約441 ℃付近に融解に起因する吸熱ピークが確認されました。
DSCによる金属の融点評価では、一般的に補外融解開始温度を指標とします。亜鉛の融点は419.5 ℃であることから、150 ℃/minという高速昇温条件においても、温度測定精度が維持されていることが確認できます。
また、温度曲線上の2点(2.5 min、4.5 min)から、2分間で約300 ℃昇温(高速昇温)が実現できていることがわかります。
高速昇温測定は、実際の製造プロセスを模擬した評価や、実使用環境に近い条件での材料挙動の解析に有効です。
詳細な測定条件については、お問い合わせください。
図2 亜鉛のDSC曲線(横軸時間)
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