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リチウムイオン二次電池セパレータの各種評価
 携帯電話用リチウムイオン二次電池(LiB)からセパレータを取り出し、機器分析により様々な評価を行いました。
■試料
セパレータ3種(A,B,C)

 
■測定項目と方法
材質分析 : フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)による
融解測定 : 示差走査熱量計(DSC)による
負荷・除荷試験 : 微小圧縮試験機による
細孔分布測定 : 水銀圧入法による

  図1 Liイオン二次電池(LiB)の概略構造
図1 Liイオン二次電池(LiB)の概略構造
 
■材質分析
FT-IRにより材質分析を行いました。その結果、いずれの試料も主成分はポリエチレンで、試料Cにはポリプロピレンに特有のピークが確認されました。
 
  図2 赤外吸収スペクトル

■融解測定
DSCにより熱特性を調べました。その結果、いずれの試料も、100〜150℃にかけて融解による吸熱ピークが検出され、融解温度よりポリエチレンと推定されました。
試料Cは、160℃付近に微小な吸熱ピークが観察され、ポリプロピレンも存在すると推測されます。
また、結晶化度は融解熱量に比例するため、結晶化度は、B,C>Aと考えられます。
  図3 DSC曲線
  図3 DSC曲線
■負荷・除荷試験
LiB内では、電極材粒子がセパレータ表面に押し付けられることにより、局所的に力が加わることが考えられます。
ここでは、一定の試験力による負荷・除荷試験により、セパレータ表面の微小部の機械的特性を測定しました。
試料をガラス板に貼り付けて固定し、最大試験力を49mNに設定し、負荷・除荷試験を行いました。
その結果、図4に示すように、いずれの試料も異なるパターンを示し、圧縮率は、B>A>C、復元率は、A>B>Cの順となりました。

  図4 試験力-変位グラフ
    図4 試験力-変位グラフ
  表1 試験結果

厚さ
[μm]
圧縮量
[μm]
復元量
[μm]
圧縮率
[%]
復元率
[%]
A 25 4.0 1.6 15.9 6.3
B 25 6.2 1.3 24.7 5.1
C 25 3.1 1.0 12.5 3.9
圧縮率(%)=(圧縮量)÷(厚さ)×100
復元率(%)=(復元量)÷(厚さ)×100


■細孔分布測定
細孔径は、電極材粒子がセパレータを通り抜けて移動しないようなサイズである必要があります。
水銀圧入法により、細孔分布測定を行いました。
その結果、いずれの試料も異なる分布を示し、細孔径は、B>A>Cの順となりました。
  図5 細孔分布
  図5 細孔分布