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PCB分析
橋梁等の塗膜くず(廃塗膜)中の重金属(鉛、クロム)、コールタール等の分析
■橋梁等の塗膜くず(廃塗膜)中の重金属(鉛、クロム)、タール(コールタール)等の分析について
 橋梁などの鋼構造物の長寿命化のために重防食塗装(風・雨・雪・寒暖差等の厳しい環境から被塗物を保護する塗装)への塗替えを行う際、事前に旧塗膜中に含まれる鉛化合物(Pb)、クロム化合物(Cr)、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、及びタール等の「有害物質の調査」を行う必要があります。また、旧塗膜の除去の際、旧塗膜に有害物質を含む場合、作業者の安全・衛生の確保と現場周辺の環境保全、廃棄物の適切な管理などが求められます。
 当社は、塗膜中のPCB分析方法の検討WG(PCB汚染物のPCB含有量測定法検討WG)などにも参加し、さまざまな「有害物質の調査」について豊富な調査実績を有しています。また、塗膜中のコールタール分析など新たな知見についても成果を発表しています。
 塗膜中の「有害物質調査」は当社にお任せください。

■通達・マニュアル等の内容
 平成26年5月、厚生労働省、国土交通省から「鉛等有害物を含有する塗料の剥離やかき落とし作業における労働者の健康障害防止について」(平成26年5月30日)の通達が出されました。これは、橋梁等における塗料の剥離作業において、作業者の安全面への配慮から、塗膜に含まれる鉛等有害物の含有を事前に確認する事等の対策を指示したものです。
 また、平成30年2月、一般社団法人日本鋼構造協会より発行の「鋼構造物塗膜調査マニュアル」が改正され、橋梁や水門・樋門・堰、鉄塔などにおける重防食塗装への塗替えを行う際の旧塗膜中の「有害物質の調査」について、適切な調査計画や分析方法で行う必要性が追記されました。

■対象となる有害物質案
 「鋼構造物塗膜調査マニュアル」では、廃塗膜に含まれる主な有害物質として、鉛化合物(Pb)、クロム化合物(Cr)、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、及びタールが示されています。また、厚生労働省よりアスベスト含有塗料の事例についても報告されています。

(1)鉛化合物(Pb)、クロム化合物(Cr)等の重金属類
  鉛化合物やクロム化合物は、防錆、着色顔料として2008年頃まで使用されていました。
鉛化合物としては、鉛丹さび止めペイント(JIS K5622)や亜酸化鉛さび止めペイント(JIS K5623)など7種類がありました。鉛化合物は人体に貧血症や肝臓病、脳及び神経障害などの症状を引き起こすことが知られています。鉛を含有物の取り扱いに関しては、鉛中毒予防規則等の関係法令順守が求められます。
クロム化合物では、六価クロム化合物(Cr(VI))の毒性が高く、国際がん研究機関(IARC)の発ガン性分類グループ1(発ガン性がある)に分類されています。1%を超える含有物の取り扱いには、特定化学物質障害予防規則の考慮が必要となります。

(2)ポリ塩化ビフェニル(PCB)
  1960年代から1970年代初めに製造及び使用された重防食塗装用途の塩化ゴム系塗料の一部には、PCBが可塑剤として使用されていたことが知られています。また、同年代の塗料には非意図的な汚染に伴うPCB混入も指摘されています。
 ⇒詳細は「橋梁等の塗膜くず(廃塗膜)中のPCB分析」へ

(3)タール(コールタール)
  コールタールは、コークス製造時に石炭乾留により得られる黒い粘稠な液体で、原料にコールタールを用いたタ−ルエポキシ樹脂塗料(JIS K5664)は船舶分野や海洋構造物などに幅広く使用されてきました。
コールタール及びコールタールピッチはベンゾ(a)ピレン(以下、BaP)など様々な多環芳香族炭化水素を含んでいます。
コールタールは発ガン性グループ1に該当し、5%を超える含有物の取り扱いには、特定化学物質障害予防規則への対応が必要となります。

■試料採取方法及び調査点数
 「鋼構造物塗膜調査マニュアル」では、塗膜の採取は,塗膜採取計画を立てたうえで実施すること、塗装系の異なる部位ごとに採取を行うこと、特に大きな橋梁では選定したスパン毎に採取を行うこと等が記載されています。
 また廃塗膜を廃棄物として調査する場合は、「JIS K0060 産業廃棄物のサンプリング方法」等を参考に適切な調査点数を設定することが望ましいと考えられます。

  塗膜の剥ぎ取り作業の一例 塗膜の剥ぎ取り作業の一例
[国土技術政策総合研究所資料第684号から転載]

■調査測定方法
 以下に有害物質含有濃度の測定方法を記載します。
 また、溶出試験(環境省告示13号等)や環境影響調査(作業環境測定等)などの実施も可能です。お気軽にお問い合わせください。

(1)鉛化合物(Pb)、クロム化合物(Cr)等の重金属類
  「JIS K 5674:2008 鉛・クロムフリー錆止めペイント」における「附属書 A(規定)塗膜中の鉛の定量」および「附属書 B(規定)塗膜中のクロムの定量」により測定を行います。
ただし、二酸化ケイ素の結晶構造を有する無機化合物(アスベストなど)は通常の強酸でも難分解性であるため、これを分解除去できる「フッ化水素酸(HF)」を用いることが必要となります(注:土壌環境分析法(1997) 第江 14.全量分析分解法 B.フッ化水素酸分解法)。
当社ではこれらの方法を併用することで、精度の高い測定をご提供します。

(2)ポリ塩化ビフェニル(PCB)
  詳細は「橋梁等の塗膜くず(廃塗膜)中のPCB分析」を参考ください。

(3)タール(コールタール)
  塗膜(塗料)中のコールタール測定方法は、マニュアルとして示されたものは存在せず、作業環境測定における重量分析法(作業環境測定ガイドブック)等が多く用いられてきました。
この方法ではベンゼンに溶解する重量を測定するため、塗膜(塗料)のような有機成分を多く含む試料においては、コールタール以外の有機成分もコールタールとして定量し、定量値を過大評価する可能性があります。
当社では、国立研究開発法人土木研究所と共同で検討を行い、塗膜中のコールタール量を精度良く測定する方法を開発しました。これはコールタールの主要な有害成分であるベンゾ(a)ピレン(BaP)含有量を正確に測定し、その濃度からコールタール量を算出するものです。この方法の有用性は以下に示すとおり、学会等で報告済みです。

■参考マニュアル等
・鉛等有害物を含有する塗料の剥離やかき落とし作業における労働者の健康障害防止について
 (基安労発0530 第1 号、基安化発 0530 第1 号)
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/var/rev0/0137/9772/eiseisyuukan_betten4-3-1.pdf/ [厚生労働省HPへ]

・土木鋼構造物用塗膜剥離剤ガイドライン(案). 改訂第2版. (国立研究開発法人土木研究所 平成29年3月)
http://www.pwri.go.jp/team/imarrc/research/tech-info/tech4354.pdf [土木研究所HPへ]

・鋼構造物塗膜調査マニュアル(JSS03-2018)一般社団法人日本鋼構造物協会

■研究実績
 当社では、塗膜くず(廃塗膜)の調査に関して様々な検討を行い、多くの知見を保有しています。
 調査実施の際にはぜひご相談ください。
 塗膜中のベンゾ(a)ピレンを測定することで、コールタールの有無を判定する方法について研究成果を発表しました。

 ・岩田 直樹,中井 勉,嶽盛 公昭,井上 毅,高菅 卓三(島津テクノリサーチ)
 「廃塗膜(塗料)中のコールタール分析方法に関する検討」第27回環境化学討論会(沖縄;2018)
 発表要旨はこちらへ >>

 ・岩田 直樹,井上 毅(島津テクノリサーチ),冨山 禎仁(国立研究開発法人土木研究所)
 塗膜(塗料)中のコールタール等有害物質調査方法について 第41回鉄構塗装技術討論会(東京;2018)
 発表要旨はこちらへ >>

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