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UV-328(紫外線吸収剤)の分析について

概要

 UV-328は、主に紫外線吸収剤として、紫外線又は太陽光による変色や劣化から表面を保護するため、コーティング剤や塗料、透明のフィルムや食品包装などのプラスチックなどに用いられていました。
 2023年に開催されたストックホルム条約第11回締約国会議(COP11)で、UV-328はデクロランプラスやメトキシクロルとともに附属書A(廃絶)へ追加され、国際的に製造・使用が原則禁止されました。日本でも化学物質審査規制法(化審法)の第一種特定化学物質に指定されています。

 当社は、各媒体(環境試料、製品試料中など)における分析方法を確立しています。お気軽にご相談ください。

UV-328について

 UV-328は、主に紫外線吸収剤として、紫外線又は太陽光による変色や劣化から表面を保護するため、コーティング剤や塗料、透明のフィルムや食品包装などのプラスチックなどに用いられていました。出荷数量は、2012年度以降300~1,100トン程度で推移しています(引用:第239回中央環境審議会環境保健部会化学物質審査小委員会 製品含有化学物質のリスク評価より)。

法規制・規格

1.POPs条約

 UV-328は、2023年5月のストックホルム条約(POPs条約)第 11 回締約国会議(COP11)にて、附属書A(廃絶)の対象物質に追加されることが決定されました。
 対象となる物質は、下記の通りです。

CAS 番号 化学物質名称 化学構造式
25973-55-1 2 -(2H-1,2,3 - ベンゾトリアゾール - 2 - イル)- 4,6 - ジ―ターシャリ - ペンチルフェノール(別名UV-328)
UV-328 構造式

2.国内での規制

 国内では、化審法において、UV-328は2025年2月18日に第一種特定化学物質に指定され、製造・輸入・使用の原則禁止等の措置が講じられています。
 化審法では、UV-328が使用されている場合に輸入することができない製品として、以下の製品が定められています。

1. 潤滑油
2.樹脂に紫外線を吸収する性能を与えるための調製添加剤
3.塗料及びワニス
4.接着剤、テープ及びシーリング用の充塡料

3.海外での規制

 EUでは、UV-328は2025年5月5日にPOPs規則(Regulation (EU) 2019/1021)の付録(Annex I, Part A)に追加され、2025年7月15日に官報公告が公示、2025年8月4日に規制が発効しました。規制の発効時(2025年8月4日)に100 mg/kg、2年後(2027年8月4日)に10 mg/kg、4年後(2029年8月4日)に1 mg/kg、と段階的な含有量制限(Unintentional Trace Contaminant)が設定されています。

POPs規則の改正
amending Regulation (EU) 2019/1021 of the European Parliament and of the Council as regards UV-328
ec.europa.eu/info/law/better-regulation/have-your-say/initiatives/13887-Persistent-organic-pollutants-UV-328_en

官報公告
Commission Delegated Regulation (EU) 2025/843 of 5 May 2025 amending Annex I to Regulation (EU) 2019/1021 of the European Parliament and of the Council as regards UV-328
eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=OJ:L_202500843

 当社では、UV-320等の紫外線吸収剤などの測定実績で培った技術を生かし、EU規制や第一種特定化学物質に対応した1 mg/kgを評価する測定が可能です。
 UV-320、UV-328以外の紫外線吸収剤の測定も可能です。お気軽にご相談ください。

分析・試験方法

 当社ではハロゲン系難燃剤等の測定実績で培った技術を生かし、EU規制や第一種特定化学物質に対応した1 mg/kgを評価する測定が可能です。お気軽にご相談ください。

関連情報

業務案内

2025-9-12 247