技術情報
ご依頼の手順 TEL/FAXでのお問合せ メールでのお問合せ 分析依頼票のダウンロード
トップ > 技術情報 > 構造解析 > 医薬品のX線回折分析
医薬品のX線回折分析
 医薬品の原料、製剤の研究開発、品質管理にX線回折分析が使われています。

■X線回折分析で得られる情報
医薬品の測定例として、アセトアミノフェン、ラニチジン、エフェドリンの回折パターンを図1に示しました。
これら回折パターンから次のような種々の情報が得られます。

(1)測定対象物質の結晶状態と純度の評価
(2)結晶多形(化学式が同じで結晶形が異なる物質)の分別
(3)微量な物質や不純物の検出と定量的評価
(4) 結晶化度の測定
(5)結晶子径の測定

  図1 製薬のX線パターン例
  図1 製薬のX線パターン例

■結晶多形の測定
 結晶多形の1例として、図2にハイドロキシアパタイト(HAP)の検索結果を示します。リン酸Ca化合物には、 α、β、γ型や水酸化物などいくつかの結晶形が存在します。検索の結果Ca5(PO4)3(OH)六方晶系 (ICDDカード番号01-79-5683)が一致しました。
 このようなX線回折パターンと回折線を利用して、定性分析、定量的評価、結晶化度、 結晶子径などの数値評価にも多く活用されています。

  図2 ハイドロキシアパタイト(HAP)の検索結果
  図2 ハイドロキシアパタイト(HAP)の検索結果

■結晶化度の測定
 抗生物質(Antibiotic)の結晶化度測定例を図3に示します。
 結晶性成分の回折線と非結晶成分のハローピークを分離して、その積分強度の比から結晶化度(15.92%)を求めます。 なお、本測定は、混合成分を含めた結晶化度の測定を行っています。

  図3 抗生物質(Antibiotic)の結晶化度解析画面
  図3 抗生物質(Antibiotic)の結晶化度解析画面

■結晶子径の測定
 X線回折線の半値幅(Hw)の広がる要因としては結晶の不整(微細な歪)と結晶子径の大きさがあります。
 図4のグルコースの主ピークのHwを標準試料SiのHwで補正して、結晶子径の大きさ(441Å)を求めることができます。

  図4 グルコースの結晶子径の測定
  図4 グルコースの結晶子径の測定