概要


細管式レオメータによる粘度測定(高密度ポリエチレンの測定)
概要
細管式レオメータでは、熱硬化性樹脂や非ニュートン流体などさまざまな流動性材料の粘性評価が可能です。高密度ポリエチレンを定温法、昇温法の2つの測定法で粘度測定した事例をご紹介します。
特長・用途
熱硬化性樹脂や非ニュートン流体などさまざまな流動性材料の粘性評価が可能
対象化合物
● 熱可塑性樹脂(成形条件)
● 熱硬化性樹脂 (硬化速度)
● ゴム材料(成形条件)
● 複合材料(CFRP、GFRPなどの成形条件)
● セラミックス材料(バインダー配合条件)
● その他(食品、医薬品、化粧品など)
分析・試験装置

細管式レオメータ CFT-500EX
● 押出圧力:0.4903~49.03 MPa (0.4903 MPaステップ)
● 粘度測定:1×10-1~1×106 Pa・s (ダイの形状によって範囲が異なります)
● 測定温度:(室温+ 20℃)~ 400℃
原理
溶融物が細管を通過するときの粘性抵抗を測定します。試料をシリンダに充填し、周囲から熱し溶融させ、上部からピストンによって一定の圧力を加えます。溶融した試料は細い穴を有したダイを通して押し出されます。そのときのピストン移動速度からフローレートを求め、試料の流動性すなわち溶融粘度を算出します。

分析・試験方法
● 定温法
測定温度を一定に保った状態での測定方法です。流量(フローレート)は、ストローク-時間曲線の傾きから計算されます。
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測定条件
● 試料 :高密度ポリエチレン(HDPE)
● 温度 :190℃
● 押出圧力:1.96 MPa
● ダイ形状:穴径1 mm、穴長1 mm
● 計算範囲:ストローク3-7 mm測定結果
フローレート[cm3/s] せん断速度
[s-1]せん断応力
[Pa]粘度
[Pa・s]1.16×10-2 1.18×102 4.90×105 4.15×103
● 昇温法
測定温度を一定速度で昇温させる測定方法です。
流動域における各温度での粘度のほか、軟化温度や流出開始温度といった固化領域から流動域に至る広い範囲のレオロジー的性質が一回の測定で評価可能です。
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測定条件
● 試料 :高密度ポリエチレン(HDPE)
● 開始温度:100℃
● 昇温速度:5℃/min
● 押出圧力:0.98 MPa
● ダイ形状:穴径1 mm、穴長1 mm測定結果
軟化温度Ts
[℃]
流出開始温度Tfb
[℃]溶融温度T1/2
[℃]
120.9 128.1 166.9
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