概要


シリコーンゴム中の環状シロキサン分析
概要
シリコーンゴムは、各種シラン類の加水分解後、生成シラノールの縮合重合から得られるケイ素骨格ポリマーです。 同種の炭素骨格ポリマーと比べて、耐熱性、耐オゾン性、撥水性に優れ、不導体である利点から、 精密電子機器のシーリング剤や保護部品をはじめ、様々な用途に使用されています。
一方、シリコーンゴムに易揮発性の環状シロキサンが残留する場合、シリカの析出による電子機器内部の 接点障害の原因となるため、シリコーンゴムの成型後、熱焼成処理(二次加硫) による環状シロキサンの除去工程がきわめて重要となります。
シリコーンゴムの品質基準としては、環状シロキサンD3~D10の残留量が指標となります。 以下に、ガスクロマトグラフ-質量分析計(GC-MS)を用いた、シリコーンゴムの測定事例を紹介します。
当社では、シリコーンゴム中の環状シロキサン分析について豊富な経験をもち、
GC-MSによる高感度かつ選択的な定量分析法を確立しています。
分析・試験事例
未焼成の『サンプルA』と比べて、200℃×4h焼成後の『サンプルB』では、 接点障害の原因となる環状シロキサンD3~D10が、効果的に除去されています。
表. 環状シロキサン分析結果
シロキサンDn | サンプルA (未焼成) |
サンプルB (200℃×4h焼成) |
---|---|---|
D3 | < 5 | < 5 |
D4 | <5 | < 5 |
D5 | < 5 | < 5 |
D6 | 5.8 | < 5 |
D7 | 11 | < 5 |
D8 | 14 | < 5 |
D9 | 17 | < 5 |
D10 | 20 | < 5 |
単位:[μg/g] |

図. クロマトグラム比較結果(TIC)
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2011年01月18日更新
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