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高濃度試料の粒度分布測定

2012年11月15日更新

概要

 粒度分布測定法の一つであるレーザ回折・散乱法は、測定範囲が広い、測定時間が短く、リアルタイムで粒度分布の変化を観察できる、適用試料範囲が広いなどの利点から、さまざまな分野で使用されています。
 通常、高濃度試料は、適正濃度になるよう試料を分散媒液で希釈して測定しますが、当社では高濃度測定ユニットを使用して、試料を希釈せずに粒度分布測定することも可能です。
 今回は、日焼け止めクリームを希釈せずに粒度分布測定しました。

分析・試験方法

測定

 高濃度サンプルを測定する場合、通常のセルを使用すると光路長が長くなり、多重散乱が発生して正確な測定が出来ません。
 高濃度測定では、ガラス板でサンプルを挟み、光路長を出来るだけ短くし、多重散乱の影響を防ぎます。

分析・試験事例

 市販の日焼け止めクリームを希釈せずに、高濃度粒度分布測定した結果を図1に示します。
 試料は0.5~200μmにかけて広い粒度分布を持つことが分かります。通常、これらの製品中には紫外線散乱剤、紫外線吸収剤の他、様々な成分が含まれています。
 次に試料を有機溶媒中で超音波照射後、粒子を取り出してデジタルマイクロスコープによる観察を行いました(図2)。
 数十μmの球状粒子やマイカ等が確認され、粒度分布測定の結果と同様に、これら粗大粒子の存在が支配的となっていることが示されました。

図1 日焼け止めクリームの高濃度粒度分布測定

図1 日焼け止めクリームの高濃度粒度分布測定

図2 デジタルマイクロスコープでの観察

図2 デジタルマイクロスコープでの観察

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