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フィルム材の高速引張試験およびDIC解析

概要

高速引張試験機を使用したフィルム材の解析手法ついてご紹介します。
フィルム材のように低荷重の試験の場合、低容量のロードセルを使用することで精度の良い測定が可能です。また、高速度カメラを使用することで、試験中の様子や破断の瞬間を動画として明確に捉えることが可能となります。

分析・試験装置

高速引張試験機 HITS-TX形

高速引張試験機    HITS-TX形

使用機器

試験機    :高速引張試験機HITS-TX
高速度カメラ :FASTCAM mini AX200 (フォトロン製)

 

分析・試験事例

試験条件

試験片材質    :PP (厚さ0.2 mm)
設定速度        :0.05m/sec,5 m/sec
試験温度        :23℃(RT) ※-40~150℃まで設定可能です。
試験治具        :フィルム用 (ねじ式平面)
                ※チャック切れ対策のため,歯面に緩衝材を貼付することがあります。

試験結果

試験力-チャック間変位線図(図1)と、破断時の画像(図2)を示します。
設定速度が速いほど試験力は大きく、変位は小さくなる傾向があります。フィルムのように薄い材料でも、材質や速度によって物性が異なるため、高速域での速度依存性の評価が必要です。

 

  • 図1 試験力-チャック間変位線図

    図1 試験力-チャック間変位線図

  • 図2 破断時の写真 (右: 試験速度 0.05m/s, 左: 試験速度 5m/s)


    図2 破断時の写真 (右: 試験速度 0.05m/s, 左: 試験速度 5m/s)

 

 

図3 DIC解析例 (試験速度 5 m/s)

図3 DIC解析例 (試験速度 5 m/s)


 

フィルム材のように低荷重の材料であっても速度依存性を確認することが可能です。また、高速度カメラを利用し試験中の様子を撮影することで、試験片がどのような挙動で破断に至っているか明確に確認することができます。
フィルム材の試験は、低荷重であること、フィルム自身が自立が困難なこともあり、物理的に接触する変位計やセンサーを利用した測定は難しいですが、変形挙動への影響が小さい標点シールを貼付し、高速度カメラで取得した画像を解析に用いることで指定した評点間(シール間)の非接触での変位解析が可能となりますので、フィルム材に衝撃が加わった際の破断メカニズムの解明などにお役立ていただけます。
 

動画

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