概要


炭素材料中の微量元素分析
2013年02月19日更新
概要
炭素材料は、軽量、化学的安定性、熱安定性、熱的強度維持など機能性が高く、新素材として様々な分野で使われています。材料の機能を保持するためには、不純物の混入をコントロールすることが非常に重要となります。
そこで今回、通常の酸分解法では溶液化できない黒鉛を、酸素雰囲気で灰化することにより不純物元素の高感度分析を行った例を紹介します。
分析・試験方法
黒鉛試料を白金ボートに取り、酸素雰囲気下で加熱・灰化しました。残渣を酸に溶解し、ICP質量分析法で主要元素を定量しました。
加熱により目的元素が揮散して分析結果が低値とならないことを確認するために、添加回収試験を併せて実施しました。
![]() 灰化前 |
→ 酸素雰囲気での灰化 残渣量 < 0.1% |
![]() 灰化後 |
分析・試験結果
■微量元素分析結果
元素 | 含有量(μg/g) | 添加回収率注1(%) |
---|---|---|
Al | 2.8 | - |
V | < 0.5 | 86.6 |
Cr | 0.5 | 83.7 |
Mn | < 0.5 | 81.7 |
Fe | 2.6 | - |
Ni | < 0.5 | 93.7 |
Cu | 0.5 | - |
Zn | 3.4 | - |
As | < 0.5 | 74.3 |
Mo | 1.4 | 111.1 |
Cd | < 0.5 | 95.2 |
Sn | < 0.5 | 122.7 |
W | < 0.5 | 98.5 |
Pb | < 0.5 | 86.3 |
U | < 0.5 | 99.2 |
注1:各元素200ng添加時の回収率
黒鉛試料中のppmオーダーの不純物元素を定量することができました。また、多くの元素で良好な添加回収率を得られました。
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