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洗剤中マイクロカプセルの物性測定

2013年01月28日更新

概要

 マイクロカプセルは、微小なカプセルの中に、芯物質を閉じ込めることで、芯物質が外部環境へ放出される時期、場所、速度をコントロールすることができ、香料、医薬品、接着剤、口中清涼品など、様々な製品に使用されています。
 液体洗剤中に含まれるマイクロカプセルの粒度分布をレーザ回折・散乱法で測定し、さらに微小圧縮試験で破壊強度の測定を行いました。

分析・試験方法

粒度分布測定
試料を純水で希釈分散し、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD-2300にて粒度分布測定を行いました。
破壊強度測定
試料を純水で希釈分散し、少量を下部加圧板上で風乾した後、微小圧縮試験機MCT-510にて圧縮試験を行いました。

分析・試験結果

 マイクロカプセルをデジタルマイクロスコープで観察した結果、数μm~数10μmの球状粒子の存在が確認できました(図1)。
 さらに、粒度分布測定の結果から、1μm以下から100μmまでの広い範囲に分布していることが分かります(図2)。

図1 観察写真

図1 観察写真

図2 粒度分布測定

図2 粒度分布測定

 次に粒子径16μmのマイクロカプセルを微小圧縮試験し、その破壊強度を算出しました。試料の変形による抵抗力を感知し、装置が試料表面位置と認識した点から試験を開始しています。
 その結果、明瞭な破壊点が確認され、非常に弱い試験力で潰れていることが分かります(図3)。測定後の粒子を観察したところ、潰れて下部加圧板に付着していました(図4)。

図3 試験力-変位グラフ

図3 試験力-変位グラフ

表 微小圧縮試験測定結果

粒子径 (μm) 破壊試験力 (mN) 破壊強度 (MPa)
16 0.7 2.2
図4 微小圧縮試験前と試験後の写真

図4 微小圧縮試験前と試験後の写真

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