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薬品中の異物解析
 異物として認識されるものには、主に虫や毛髪、繊維、樹脂片、金属片、ガラス片などがあります。今回は、医薬品(分包薬品)中にみられた繊維状異物についての分析事例を紹介します。
■外観観察
 分包薬品中に確認された茶色の異物を採取し、デジタルマイクロスコープによる観察を行ったところ、繊維の塊のように観察されました。また、赤色、青色などの粒状の物質も確認され、顔料成分などの存在が示唆されることから、再生紙に起因する可能性があります。

  サンプル:分包薬品        
  拡大   採取後   拡大:採取後
  【拡大】   【採取後】   【拡大:採取後】
  写真 外観観察結果
■蛍光X線分析〜元素マッピング測定
 異物を一部分取し、薄片化後、エネルギー分散型微小部蛍光X線分析装置(μEDX)による元素マッピング測定を行いました。
 外観では、無色の部分と顔料を含む有色の部分が確認され、また、元素マッピングでは、カルシウム(Ca)は、赤色、青色の有色の部分に、珪素(Si)は全体的に分布しているようにみられました。

  外観写真
CaKα像

SiKα像
  外観写真 CaKα像 SiKα像
  写真 元素マッピング結果

■赤外吸収スペクトル測定
 異物の無色部分のうち、珪素(Si)が検出されていない部分は、セルロース類が主成分であることが解りました。(図1)
 また、カルシウム(Ca)が検出された青色の部分からは、セルロース類以外に、炭酸塩、珪酸塩鉱物に由来する吸収が確認されました。(図2)
図1 赤外吸収スペクトル(無色部分)
図1 赤外吸収スペクトル(無色部分)
図2 赤外吸収スペクトル(青色部分)
図2 赤外吸収スペクトル(青色部分)
■まとめ
 マッピングにより、元素のカルシウム(Ca)、珪素(Si)が検出された部位には、顔料成分でもある炭酸カルシウム、カオリナイトなどの存在が推察されました。また、赤外吸収スペクトルからセルロース類が主成分であるため、分包薬品中の茶色異物は、再生紙由来の紙片であると考えられます。