概要
残留抗生物質
概要
抗体医薬品あるいは生物由来製剤の製造工程やヒトから採取した細胞を培養して、細胞・組織などの再生医療製品を製造する際には、抗生物質を使用することが多いです。抗生物質はアレルギーなどを引き起こす場合があるため、製品中に残留する抗生物質が安全上問題のないレベルであることを評価しなければなりません。
抗体医薬品、生物由来製剤、再生医療製品などは、測定の妨害となる多くの夾雑物(アミノ酸類、ビタミン類、血清由来タンパク、無機塩)の影響により、高感度検出が難しいことから、夾雑物を排除するための適切な前処理手法と高感度分析装置が必要です。
特徴・用途
● 特徴
- 一般的に培養で用いられる抗生物質を網羅し、生物製剤の申請用データとして、多くの実績
- LC-MS/MS法による高感度分析(夾雑物との高選択性)
- 高精度な定量性
- 分析法開発、予備検討試験からGMP準拠による分析法バリデーション試験及び実測定に対応
微生物学的力価試験法
(日本薬局方)高速液体クロマトグラフ法
(HPLC-UV)高速液体クロマトグラフ
タンデム型質量分析法
(LC-MS/MS)測定方法 抗菌活性に基づく測定 クロマトグラフィーによる 分離とUV検出器による検出 クロマトグラフィーによる分離と 質量分析計による検出 選択性 × ○
UV吸収を持つ化合物のみ検出◎
高い感度 △
mgオーダー以上○
μgオーダーまで可能◎
pgオーダーまで可能分析時間 △ ◎ ◎ 細胞、培養液などの
測定の可否×
選択性が無く、感度も不足△
微量測定は困難
共存する夾雑物の影響大○
複雑なマトリックス中でも
高感度測定が可能
● 実績および分析用途
- 細胞培養液及び洗浄液の残留確認
- 抗体医薬品(中間体、最終製品)の製造工程評価
- 再生医療製品の品質評価
- 生物由来製剤の品質評価
- 製造環境、製造設備の洗浄バリデーション試験
分析・試験事例
● 分析事例
- 生物由来製剤の申請用データ試験
厚生労働省通知(薬食発第0208003号平成20年2月8日及び薬食発第0912006号平成20年9月12日)
再生医療製品の品質管理として、製造工程由来の不純物(抗生物質など)の把握が要件となる。 - 抗体医薬品の精製評価試験(製造工程管理)
- 再生医療製品の最終製品評価試験
● 抗生物質の一例
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: | ストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン、アミカシン |
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: | ベンジルペニシリン(ペニシリンG)、アンピシリン、バカンピシリン、セファレキシン |
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: | アムホテリシンB |
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: | マイトマイシンC |
※汎用の抗生物質は網羅しています。その他の抗生物質も対応可能ですので、お問い合わせください。
20180711
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