概要
エンドトキシン試験
概要
エンドトキシン試験法とは、カブトガニの血球抽出成分より調製されたライセート試薬を用いて、エンドトキシンの検出又は定量を行う試験法です。 本法は、ライセート試薬の反応により形成されるゲルを指標とするゲル化法と、ライセート試薬の反応を光学的に測定する比濁法・比色法があります。
GMP準拠、信頼性の基準下にて実施します。
分析・試験方法
試験法
試験に使用する培地と同ロットの培地に指標菌を接種し、微生物培養に必要な性能を有するか確認するために実施される試験。
<試験フロー>
ゲル化法: 比濁法: 比色法: |
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ゲル化法で形成されるゲル (左:陽性 右:陰性) |
ゲル化法: 比濁法: 比色法: |
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ゲル化法で形成されるゲル (左:陽性 右:陰性) |
予備試験
エンドトキシン試験を実施する前段階の予備試験として、ゲル化法ではライセート試薬の表示感度確認試験と反応干渉因子試験を、比濁法・比色法では検量線の信頼性確認試験と反応干渉因子試験を実施します。
エンドトキシン標準溶液(C液)と、同濃度のエンドトキシンが添加された試験液(B液)をそれぞれライセート試薬と反応させ、測定結果の比較によって、試料存在下であっても試薬の反応が著しく阻害・促進されずに測定が実施できることを確認するための試験です。通常,試料(検体)の製造方法の変更等がない限り製造ロットが変わっていても、初回だけ実施されていれば問題ありません。
反応干渉因子試験に適合しなかった場合、試料の希釈濃度や処理方法を検討し、 再度反応干渉因子試験を実施します。
ゲル化法
被検試料が規格を超えるエンドトキシンを含むか否かを、ライセート試薬の表示感度に基づいてゲル化反応により判定する試験法です。
被検試料を複数段階希釈し、ライセート試薬との反応後にゲル化した希釈段階を元に計算することで、エンドトキシン濃度を求める試験法です。
光学的定量法
エンドトキシン標準溶液(C 液)の測定結果から作成した検量線を用い、試験液(A 液)の平均エンドトキシン濃度を算出します。次のすべての条件に適合するとき、試験が有効となります。
- C 液で作成した検量線の相関係数の絶対値は 0.980 以上である。
- エンドトキシン添加試験液(B 液)の測定結果と A 液の測定結果から計算された回収率が50 ~ 200%の範囲にある。
- 陰性対照(D 液)の結果がライセート試薬に設定されている空試験の限度値を超えないか、またはエンドトキシンの検出限界未満である。
● 試料量
・ | 粉末・錠剤・液体等の試料の場合は通常10g または10 mL使用しますが、より少量での測定も可能です。 |
・ | 医療器具等の場合は特に最低数はありません。 |
● 注意点
・ | 比濁法は濁りの強い検体での測定には適しません。 |
・ | 比色法は405 nm付近の波長に大きな吸収を持つ検体での測定には適しません。 |
● 実績
・ | 原薬や製剤、非水溶性の検体、医療器具のエンドトキシン試験実施の実績があります。 |
関連情報
業務案内
微生物試験
20200106