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保存効力試験

概要

 点眼薬、点鼻薬、化粧品を含む外用剤、洗口剤など、繰返し使用する製剤は手や口から細菌などの微生物が混入し、繁殖(腐敗)する可能性があります。それを防ぐため防腐剤を添加していますが、パラベン類などの防腐剤は非イオン界面活性剤の存在により防腐効果(抗菌活性)が不活化することが知られています。 また、防腐剤によって微生物に対する抗菌力に差があります。そこで、これらの製剤の処方開発において原薬や添加剤の種類により、防腐剤の種類や量をコントロールする必要があり、その防腐効果を確認する方法として「保存効力試験」が行われます。

特徴・用途

保存効力試験とは

製品に配合した防腐剤の効果を確認する試験です。 一定の菌数に調整した細菌や真菌を製品に直接接種し、一定期間(最長28日間)保存したのちその一部を培養して残存する菌数を計測し、その減少率により効果を確認します。接種する微生物は3つの細菌(大腸菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌)と2つの真菌(カンジダ、黒コウジカビ)といった、一般的な生活環境から混入する可能性がある微生物で、日本薬局方に規定されています。

保存効力試験の目的

パラベン類などの防腐剤は皮膚や粘膜に対して刺激性のある物質であり、その濃度と効果をコントロールすることは、使用する患者様の安全を守ることにもつながります。 保存効力試験は、その防腐剤と配合剤の相性や効果が得られる最低処方量などを評価するのに役立つ試験方法であり、処方開発の一助となります。

分析・試験方法

s6-1

関連情報

業務案内

20200220