対象化合物
ノニルフェノール
対象化合物
NPは、直鎖のノニル基、または分岐ノニル基がフェノール環に結合した環式有機化合物で、ノニル基の分枝の違い及び置換位置の違いにより理論上211種の異性体が存在します。NP類は側鎖の枝分かれが複雑なため、高い分析技術が必要です。
NPは、主として界面活性剤の原料として使用されており、排水処理過程における界面活性剤そのもの(ノニルフェノールエトキシレート:NPEO)や類縁化合物(ノニルフェノールエトキシ酢酸:NPEC)からの分解によるNPの生成も無視できないことがわかっています。
法規制・規格
平成24年8月22日、環境基本法に基づく水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準のうち、水生生物の保全に係る環境基準の項目に新たにノニルフェノールを追加する告示が施行され、ノニルフェノール(NP)の基準値は水域・類型別に0.6~2μg/Lとされました。
下水処理場では、排水を集めて処理し水域に放流するため、放流先水域での希釈倍率を考慮し、NPの放流水濃度をこの基準値以内に管理しなければなりません。
また健全な水循環の礎となるため、河川や湖沼、海域などの水環境におけるNP濃度の管理は、今後ますます重要となると考えられます。
表 水生生物環境基準(ノニルフェノール)
水域 | 類型 | 水生生物の生殖状況の適応性 | 基準値 |
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河川及び湖沼 | 生物A | イワナ、サケマス等比較的低温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 | 0.001mg/L 以下 |
生物特A | 生物Aの水域のうち、生物Aの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 | 0.0006mg/L 以下 | |
生物B | コイ、フナ等比較的高温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域 | 0.002mg/L 以下 | |
生物特B | 生物A又は生物Bの水域のうち、生物Bの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 | 0.002mg/L 以下 | |
海域 | 生物A | 水生生物の生息する水域 | 0.001mg/L 以下 |
生物特A | 生物Aの水域のうち、水生生物の産卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 | 0.0007mg/L 以下 |
実績
● | 高い分析技術 | ||||
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● | 少ない試料量で分析可能 | ||||
例えば溶存態のNP分析であれば100mLで分析可能です。 またNP類全項目測定でも3Lで分析可能なため、サンプリングの手間を大幅に削減します。 |
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● | 豊富な水試料中NP類分析実績 | ||||
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分析・試験事例
● | 調査例 その1 |
流入下水、放流水を対象として年2回分析を実施します。放流水中の濃度と、処理場での除去率が把握できます。 |
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● | 調査例 その2 |
河川水を対象として年4回分析を実施します。四季を通じたNP類濃度の実態が把握できます。
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● | 調査例 その3 |
河川・海域を対象として、流域におけるNP類の濃度分布状況が把握できます。 |
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関連情報
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20191213
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