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X線回折による化粧品(口紅)中の結晶性成分の同定解析
■はじめに
 結晶性成分の同定には、X線回折による定性分析がよく利用されています。
 今回、市販の口紅(リップグロス)の定性分析を行った結果を紹介します。

■試料
 化粧品(リップグロス)
 口紅の上から塗って、唇に透明感やつややかな輝きを出すための化粧品。
 保湿効果のある製品もある。

  化粧品(リップグロス)
■測定方法
 市販の口紅(リップグロス)を、アセトンで油分を除いてからシリコン無反射板に薄く塗布し定方位法に近い状態としました。
 あらゆる方向を向いた粉末試料からの回折を行う不定方位法(粉末法)と異なり、定方位法では、 層面がほぼ平行に並んだ配向試料からの回折を行うため、底面反射が強く現れます。


不定方位試料   定方位試料
不定方位試料   定方位試料
■結果
 図1に示すように主要成分として金雲母[Phlogopite] と白雲母[Muscovite]が同定されました。

 
  図1 リップ-グロスのX線回折パターンと検索結果

 雲母は層状ケイ酸塩(図2参照)であり、これらの同定には層面による回折、すなわち底面反射を用いるのが有効です。
 今回は、シリコン無反射板を用いることにより定方位試料に近い状態で測定できたため、 底面反射が強調され、鮮明な回折パターンが得られました。



図2 層状ケイ酸塩とX線回折