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電池の内部観察

2020年06月15日更新

概要

 電池の需要は、近年モバイル機器の急速な普及、電気自動車開発など様々な分野で増えています。 また、従来の一次電池も、市場は縮小していると言えども、私たちの生活には欠かせない製品です。
 今回、マイクロフォーカスX線CTシステムを用いて各種電池のCT撮像を行ない、電池内部の詳細な観察を行った事例を紹介します。

分析・試験事例


一次電池の観察

アルカリボタン電池 (LR44) 酸化銀電池 (SR44)
 
結果
 
結果
アルカリ乾電池 (単3) リチウム電池 (CR2)
 
結果
 
結果


二次電池の観察

リチウムイオン電池 (18650) ニッケル水素電池 (単3)
 
結果
 
結果

リチウムイオン電池 (18650)の比較

 3種類のリチウムイオン電池(18650)を比較しました。厚いものが正極材、薄いものが負極材です。

リチウムイオン電池 (18650)の比較
は、目立った欠陥がありませんでした。
は、欠陥が見つかりました。中には、亀裂のような欠陥もありました。
は、PCのバッテリーとして使用していた電池です。②の新品よりは、欠陥は少ないですが、ところどころ、劣化によると思われる欠陥が見つかりました。

モバイルバッテリーの劣化確認

膨張したモバイルバッテリー

 膨張したモバイルバッテリーをX線CTで撮像し、劣化の様子を観察しました。

全体撮像

全体撮像

 リチウムイオン電池内部で起こる劣化反応によりガスが発生し、膨張が引き起こされています。約4mm膨張していました。 全体撮像の結果、ラミネート部にも異常が確認できたため、拡大撮像を行いました。

拡大撮像

拡大撮像

 拡大して撮像することにより、正極材、負極材を区別できるようになりました。また、各層の隙間も明瞭にとらえました。 内部にある、異物や欠陥も確認することができました。

まとめ

 X線CTによる非破壊観察では、外観だけでは判断できない内部の構造の違いや、不具合、亀裂、劣化などを確認することができます。

2020.06 368

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