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CFRP材 3点曲げ疲労試験片の非破壊観察

2017年03月01日更新

分析・試験事例

 複合材料の中でも力学特性に優れたCFRP(炭素繊維強化プラスチックス)を試験片として、3点曲げ試験を行いました。
超音波顕微鏡およびマイクロフォーカスX線CTにより疲労による試験片の破壊状況の観察を行いました。

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[サンプル]

 CFRP材 (幅10㎜、長さ100㎜、板厚1.5mm(9層)の短冊形)

[3点曲げ疲労試験の様子および試験後のサンプル外観]

 最大負荷応力800MPa、最少負荷応力80MPa、周波数10Hzで繰り返し試料に負荷しました。
 試験片は4本とし(#1,#2,#3,#4)、変位の大きさがある一定量(*)に達した時を終了としました。
 *)#1:3.0mm、#2:3.5mm、#3:4.0mm、#4:5.0mm以上

疲労試験終了後写真

[X線CT像]  SMX-100CT(島津製作所製)による内部観察

結果観察
結果観察

いずれも圧子接触部に破損がみられました。#3は内部に大きな剥離、および表層に軽微剥離が確認できます。  #4は、ほぼ完全に破損(くの字型に変形)しています。

[超音波顕微鏡像] EVOLUTIONⅡ(PVA TePla製SAM-300 相当)による内部観察

内部観察
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表面付近
の剥離

裏面付近
の剥離

厚さ方向
断面画像

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 超音波顕微鏡では、#4の変形が激しく観察できませんでした。

[結果]

 #1および#2には、圧子の当たる部分の表層に亀裂が発生し、超音波顕微鏡では、裏面にも軽微な剥離が認められましたが、X線CTでは、この軽微な剥離は確認できませんでした。#3程度まで疲労が進むとX線CTでもようやく剥離が認められるようになりました。
 超音波顕微鏡では、疲労初期の剥離の検出は容易ですが、表面の破壊に妨げられ、破壊状況の詳細を観察することは困難です。 反対に、X線CTによる広範囲の観察では、#1、#2のような疲労初期の破壊の検出は困難です。
 これらの特徴から、超音波顕微鏡とX線CTを組み合わせて利用する方法が有用と考えられます。たとえば超音波顕微鏡で広い範囲から破損箇所の位置を特定し、次にX線CTで視野を絞り込んで拡大撮像を行うことによって、より詳細な破損の状況を効率よく観察することができるようになります。

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