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におい識別装置を用いた使い捨てマスクの脱臭試験

2019年9月20日更新

概要

 作業時の防塵、花粉予防、病気予防などを目的とし、近年多くの方が「マスク」を使用しています。
 その種類も豊富で、最近では、抗菌や防臭の機能を兼ねそろえる商品も多く販売されています。
 市販の使い捨て「マスク」数種を用いて、におい識別装置(FF-2020S)により脱臭試験を行いました。

試料

試験に用いた市販マスク

マスク 機能など(メーカー表示による)
A 風邪・花粉対策
B 風邪・花粉・ほこり・防臭(ゼオライト使用)
C 活性炭入り
D 風邪・花粉・ハウスダスト対策
E 一般粉じん用

分析・試験項目

対象としたにおいガス

  においガス(原臭)
トイレ臭 薬品・試薬庫臭
情報 小便器周辺ガス
便器内に球状芳香剤あり
試薬保管庫内ガス
臭気強度 3.5 3 ~ 3.5
臭質 尿臭、不快臭、
芳香剤臭(球状タイプ
溶剤臭、S様臭

分析・試験結果

 脱臭試験は一般的に、検知管法やクロマト分析などにより特定の成分の濃度変化を定量的に評価しますが、におい識別装置を用いることで複合臭としてのにおいをその強度や質の変化の両面から評価することが可能でした。
 においの評価において、人の嗅覚は優れた評価方法の一つですが、場合によっては主観的な評価となりやすいため、におい識別装置のように機器による客観的な評価方法と組み合わせることにより、総合的なにおい調査・評価が可能になると考えられます。

原臭:トイレ臭

基準ガスに対する類似度 臭気指数相当値
mt
mt
試料間類似度(におい質) 原臭に対するにおい質の類似度
mt
mt

 基準ガスに対する類似度のレーダーチャートの形状から各試料のにおい質が異なることが確認できました。
 また、臭気指数相当値を見ると、マスクC(活性炭入り)の脱臭効果が最も大きいことがわかりました。
 試料間類似度や原臭に対するにおい質の類似度の結果から、原臭が各マスクを通過することにより、におい質がどの程度変化したかが見てとれ、その変化はC、B、A、D、Eの順で大きいことがわかりました。
 マスクCは原臭のにおい強度の低減、質の変化が確認でき、マスクA、Bはにおい強度を低減させることは出来なかったものの、におい質を大きく変化させたことがわかりました。
 におい識別装置により測定したガスを人の嗅覚にて確認したところ、マスクA、Bのガスからは原臭で感じる不快な尿臭はほとんど感じず、芳香剤臭を強く感じました。マスクD、Eのガスは原臭とは僅かに異なるものの、不快な尿臭と芳香剤臭の両方を感じました。一方マスクCのガスからはほとんどにおいを感じませんでした。

原臭:薬品・試薬庫臭

基準ガスに対する類似度 臭気指数相当値
my
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試料間類似度(におい質) 原臭に対するにおい質の類似度
my
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 基準ガスに対する類似度、臭気指数相当値、試料間類似度のレーダーチャートの形状から、マスクC(活性炭入り)のみ原臭に対する脱臭の効果が確認でき、その他のマスクはにおい質、強度共に原臭と大きな差は見られませんでした。
 原臭に対するにおい質の類似度からも同様の結果が得られ、原臭である試薬庫内のガスに対してはマスクCのみ脱臭効果が確認できました。
 におい識別装置により測定したガスを人の嗅覚にて確認したところ、マスクA、B、D、Eのガスは原臭ガスとほとんど差が感じられず、マスクCのガスからはほとんどにおいを感じませんでした。

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