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コメ中の無機元素分析

2013年07月16日更新

概要

 食品や農産物中のカドミウム(Cd)・砒素(As)などの無機元素は、金属汚染物質として含有量がモニタリングされています。
特に我が国におけるコメ(玄米・精米)中のCdについては、基準値0.4mg/kgを超過すると市場に流通することができません。
 ここでは、食品衛生法で規定されているCdの分析方法(公定法)と、自社法の2法で、玄米中のCdおよびAsを測定した事例を紹介します。

試料

玄米・精米

分析・試験方法

 公定法と自社法の測定フローを示します。
 公定法は、Cdのみの測定に最適化された方法で、硫酸を用いるので多くの元素の測定が困難です。一方自社法は、試料使用量が制限されるためICP-AESでの測定では感度が不充分ですが、マイクロウェーブ分解装置を用いて密閉分解を行うためAs等の低沸点元素も測定が可能になります。

 

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分析・試験結果

 公定法および自社法で玄米標準試料中のCdおよびAsを測定した結果を示します。いずれの条件においても、90~110%の回収率が得られました。

標準試料 NMIJ CRM 7531-a玄米粉末
測定元素 Cd As
測定値(μg/g) 回収率(%) 測定値(μg/g) 回収率(%)
公定法 0.296 96 - -
自社法 0.299 97 0.296 106
認証値(μg/g) 0.308 0.280

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