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広応力3軸度域における延性材料破壊挙動の3D-DIC 解析

2020年10月20日更新

概要

 アルミ合金などの延性材料は輸送機器や建築材料だけでなく、多岐に亘る用途で使用されています。これらの材料は、従来1軸引張試験による破壊ひずみを用いて強度予測がなされてきましたが、 近年では製品内部の応力状態によって材料の延性が変化し、破壊ひずみの値は1軸引張時の値を下回ることが明らかとなってきています。この応力状態を表す指標として応力3軸度ηがあります。材料や形状が多様化する中で、より安全な強度予測を行うためには、広範囲な応力3軸度域における延性破壊挙動を評価することが重要となります。
 今回、応力3軸度の異なる試験片について引張試験中の破壊挙動をDIC解析により評価しました。

試料

 一般的に応力3軸度の評価ではノッチ付き試験片が用いられます。 本稿ではアルミ鋳造材(ADC12)に切削加工を施し、JIS 5号ダンベル形状をベースに 試験片形状やノッチ先端半径 Rを変えた試験片を作製することで、様々な応力3軸度の評価を行いました。

試験条件および試験片

分析・試験方法

 島津精密万能試験機AG-50kNX Plusを用いて引張試験を行い、DIC解析ソフトにより、応力3軸度の異なる各試験片が破壊に至るまでの表面のひずみ分布の挙動をそれぞれ解析しました。

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試験片材質 ADC12
試験機 AG-50kNX Plus
試験速度 1mm/min
3Dカメラ ARAMIS3Dカメラ(GOM社製)
撮影速度 2 frame/sec
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試験片材質 ADC12
試験機 AG-50kNX Plus
試験速度 1mm/min
3Dカメラ ARAMIS3Dカメラ(GOM社製)
撮影速度 2 frame/sec
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分析・試験結果

 各試験片の破断直前のひずみ分布を示します。
 様々な応力3軸度状態の各試験片について、異なるひずみ分布が解析可能であり、お客様のシミュレーション結果の妥当性検証などにお役立ていただけます。

応力状態 ①せん断 ②1軸引張 ③2軸引張(R=3.75) ④2軸引張(R=1.25)
応力3軸度 0 0.33 0.5 0.67
試験片写真
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ひずみ分布
DIC解析結果
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  • 複雑な応力3軸度状態の試験片でもDIC解析によりひずみ分布を可視化
  • お客様のシミュレーション結果の妥当性検証(バリデーション)

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