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炭素繊維(単繊維)の圧裂試験

2020年10月19日更新

概要

 微小圧縮試験は微粒子が主な試験対象ですが、繊維でも圧縮試験することが可能です。
 繊維強化プラスチック(FRP)は引張強度に比べて圧縮強度が低く、これは圧縮による繊維の座屈が発生しやすい ことが原因です。FRPの開発において単繊維の強度評価は重要な要素となります。
 単繊維の評価事例として、CFRPに使用される炭素繊維(単繊維)の圧裂試験をご紹介します。

試料

 炭素繊維

分析・試験装置

 微小圧縮試験機 MCT-510(島津製作所)

分析・試験方法

    50 μmの平面圧子を使用し、繊維径約8 μmの炭素繊維(単繊維)に対して繊維軸直交方向に負荷を与える圧裂試験を行いました。
 繊維先端の加工状態が強度に影響するため、圧子の直径よりも繊維長が長い単繊維を試験しました。

分析・試験結果

 5本の圧裂試験結果より、この炭素繊維は約1,500MPの強度があり、35%の変形まで耐えることが わかりました。
 試験前後の画像より、炭素繊維が粉々に破壊している様子が確認できます。炭素繊維のように微小な脆性材料でも微小圧縮試験機MCT-510を使用することで再現性の高い測定が可能です。

試験前

試験前

試験後

試験後

※写真内の青円内が
50μmの圧子エリア
crush_shiken
crush_shiken2
    ※ 繊維長Lは圧子の直径50 μmで計算    圧縮率 Cr=L1/d×100    破壊強度 St=2P/(π×L×d)
試験前

試験前

試験後

試験後

※写真内の青円内が
50μmの圧子エリア
crush_shiken
crush_shiken2
    ※ 繊維長Lは圧子の直径50 μmで計算    圧縮率 Cr=L1/d×100    破壊強度 St=2P/(π×L×d)

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