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ガラスビーズの圧縮試験

2012年08月27日更新

概要

 製品の耐久性を追及する上で、それを構成する素材強度の評価は重要な要素となっています。 粒子状の素材に対しては、その一粒一粒の強度を測定することは、材料の脆弱さなどの原因究明と問題解決のための情報を得ることに役立ちます。
 今回は、微小圧縮試験機によるガラスビーズの圧縮試験を行った例を紹介します。

分析・試験事例

<試験1>ガラスビーズの圧縮試験

■試料

  ガラスビーズ

■装置

 微小圧縮試験機 MCT-510(島津製作所)

■試験方法

 試料台にガラスビーズを極微量散布後、X方向とY方向の径を測ってその平均を粒子径とし、1粒ずつ、圧縮試験を行いました。 試験は5回行い、平均で評価しました。また、サイド観察キットにより、圧縮中の試料の様子も観察しました。

試験方法

■試験結果

 試験力-変位グラフおよび試験開始時、圧縮時、破壊時のサイド観察画像を示します。
 このガラスビーズでは、かなり急激に破壊が起こり、そのため、破壊とほぼ同時に圧子が試料台に当たり、横軸の変位も急激に増加しました。 破壊が終了すると、設定した試験力(今回は1500mN)まで試験力が到達して、試験終了となります。

表 試験結果

試験力P [mN] 平均径d [μm] 破壊強度Cs [MPa]
979.6 31.0 804.7

破壊強度 Cs=2.48×P/(πd2)

図 試験力-変位グラフ及びサイド観察写真

図 試験力-変位グラフ及びサイド観察写真

<試験2>粒径の異なるガラスビーズの圧縮試験

■試料

 粒径が異なる2種類のガラスビーズ

■装置

  微小圧縮試験機 MCT-510

圧縮試験

■試験方法

 試験1と同様に圧縮試験を行い、その強度の比較を行いました。

■試験結果

 試験結果および試験力-変位グラフに示すように、破壊点の試験力はAが約2500mN、Bは約1090mNと異なる値を示し、算出した破壊強度は、Aが168MPa、Bは794MPaでした。 ガラスビーズの強度は粒径の小さいBの方が大きいことがわかりました。
 ※試料により異なる場合があります。

表 試験結果

試料 試験力P [mN] 平均径d [μm] 破壊強度Cs [MPa]
A 2499.7 108.3 168.3
B 1089.8 32.9 794.3

破壊強度 Cs=2.48×P/(πd2

図 試験力-変位グラフ

図 試験力-変位グラフ

表 試験結果

試料 試験力P [mN] 平均径d [μm] 破壊強度Cs [MPa]
A 2499.7 108.3 168.3
B 1089.8 32.9 794.3

破壊強度 Cs=2.48×P/(πd2

図 試験力-変位グラフ

図 試験力-変位グラフ

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