概要


ICP質量分析法による血液中の重金属類分析
2013年09月20日更新
概要
血液や尿など生体試料中の有害金属分析は、鉛や水銀などの重金属類による中毒の診断等に広く応用されてきましたが、近年は作業環境との関連や生活環境からの摂取に対する疫学調査など、より高感度で多検体・高精度の測定をすることが要求されています。
今回は、血液中の重金属類をICP質量分析装置(ICP-MS)により同時測定した事例を紹介します。
分析・試験方法
マイクロウェーブ分解法により酸分解を行い、ICP質量分析法により元素定量を実施します。測定フローを図1に示します。
密閉系分解法であるマイクロウェーブ分解法を採用することで、バイオハザードのリスクの低減、水銀など低沸点の元素を揮散させることなく測定が可能、等のメリットがあります。試料が少量の場合は、さらに内容器(図2)を用いることで、試薬使用量の低減、コンタミネーションのリスク低減、等のメリットが発生します。
![]() 図1 測定フロー |
![]() 図2 分解用内容器 |
分析・試験事例
認証標準物質であるBCR634およびBCR635を上記の方法で測定したところ、良好な結果が得られました。
単位 mg/L | BCR634 | BCR635 | ||
---|---|---|---|---|
測定値 | 認証値 | 測定値 | 認証値 | |
Cd | 0.0015 | 0.0014 ± 0.0004 | 0.0066 | 0.0066 ± 0.0006 |
Pb | 0.042 | 0.046 ± 0.005 | 0.19 | 0.210 ± 0.024 |
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