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白血病の幹細胞の脂質代謝メカニズム発見に貢献

2020年09月17日更新

概要

 チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)は、細胞分裂が活発な部位に対する分子標的抗がん剤です。
慢性骨髄性白血病(CML)細胞は活発な細胞増殖能を有し、TKIの標的となります。一方で、CML細胞を生み出すCML幹細胞は増殖活性の低い休眠状態を維持する間TKI標的になりにくく、根絶が容易ではないためCML再発の原因とされてきました。

 広島大学 原爆放射線医科学研究所 幹細胞機能学研究分野 仲 一仁准教授ら研究グループは、この休眠状態においてリゾリン脂質代謝酵素Gdpd3が活性化していることを発見し、Gdpd3遺伝子のノックアウトマウス(Gdpd3欠損マウス)を用いてリゾリン脂質代謝を抑制するとCML幹細胞の細胞分裂活性を誘引し、TKIの治療効果を高められることを証明しました。
 この研究成果は英国オンライン科学誌Nature Communicationsに掲載されます。詳細はこちらをご参照ください。

 当社はこの研究の中で、マウス生体内からソーティングされたCML幹細胞中のリゾリン脂質およびマウスCML骨髄細胞中の脂質メディエーターをLC-MS/MSによって高感度に分析し、今回の成果に貢献しました。

CMS幹細胞におけるリゾリン脂質代謝の役割

当社は、LC-MS/MSを用いたリピドミクスなどさまざまな受託分析により、ライフサイエンス領域研究者のご研究に貢献します。 ぜひお問い合わせください。

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