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発光ダイオード(LED)中のレアメタル分析

2012年01月24日更新

概要

  省エネ照明器具として近年急速に普及が進む発光ダイオード(LED)は、ガリウム(Ga)やインジウム(In)などのレアメタルを用いた半導体で出来ています(表1)。

  主な原料であるGaは産出国が限られているため、資源確保が国家的課題となっており、使用済み製品をレアメタル資源として活用できないか、調査が進められています。
 そこで今回は、LED中のGaをはじめとするレアメタルを、ICP質量分析法で測定した結果を報告します。

表1 LED材料の例

材料 ピーク波長(nm)
InGaN 450
ZnCdSe 489
ZnTeSe 512
GaP 555
AlGaInP 570
InGaN 590
AlGaAs 660
GaP(Zn-O) 700
GaAs(Si) 980 赤外
InGaAsP 1300

 省エネ照明器具として近年急速に普及が進む発光ダイオード(LED)は、ガリウム(Ga)やインジウム(In)などのレアメタルを用いた半導体で出来ています(表1)。

  主な原料であるGaは産出国が限られているため、資源確保が国家的課題となっており、使用済み製品をレアメタル資源として活用できないか、調査が進められています。
 そこで今回は、LED中のGaをはじめとするレアメタルを、ICP質量分析法で測定した結果を報告します。

表1 LED材料の例

材料 ピーク波長(nm)
InGaN 450
ZnCdSe 489
ZnTeSe 512
GaP 555
AlGaInP 570
InGaN 590
AlGaAs 660
GaP(Zn-O) 700
GaAs(Si) 980 赤外
InGaAsP 1300

分析・試験方法

 レアメタルの分析では、多くの無機元素を同時に精密定量できる、ICP発光分光分析装置およびICP質量分析装置を、濃度によって使い分けています。
 溶液化の方法としては、できるだけ多くの元素を回収するために、酸分解とアルカリ融解を併用しています(図1)

図1 LEDの溶液化方法

図1 LEDの溶液化方法

分析・試験結果

 市販LED製品(図2)のレアメタル分析結果を表2に示します。半導体材料以外の部分を含むため、GaやInの他、Au、Yなどが多量に検出されました。

図2 市販LED製品の一例

図2 市販LED製品の一例

表2 LED製品のレアメタル分析結果

元素 製品 含有量 (μg/g) 元素 製品 含有量 (μg/g) 元素 製品 含有量 (μg/g)
Sc < 1 Pd 46 Dy < 1
V 40 Ag 2000 Ho < 1
Cr 19 Cd < 1 Er < 1
Mn < 1 In 2.0 Tm < 1
Co < 1 Sb < 1 Yb < 1
Ni < 1 La 22 Lu < 1
Cu 290 Ce 130 Ta < 1
Ga 1200 Pr 6.9 W 12
Sr 22 Nd 21 Pt 11
Y 3700 Sm < 1 Au 7600
Zr < 1 Eu < 1 Pb 6.6
Nb < 1 Gd 380 As 11
Mo 2.2 Tb < 1 - -
元素 製品 含有量 (μg/g) 元素 製品 含有量 (μg/g)
Sc < 1 Ce 130
V 40 Pr 6.9
Cr 19 Nd 21
Mn < 1 Sm < 1
Co < 1 Eu < 1
Ni < 1 Gd 380
Cu 290 Tb < 1
Ga 1200 Dy < 1
Sr 22 Ho < 1
Y 3700 Er < 1
Zr < 1 Tm < 1
Nb < 1 Yb < 1
Mo 2.2 Lu < 1
Pd 46 Ta < 1
Ag 2000 W 12
Cd < 1 Pt 11
In 2.0 Au 7600
Sb < 1 Pb 6.6
La 22 As 11

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