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熱分解-GCMSによる高分子材料の耐候性評価
 高分子材料は、屋外環境にさらされる間に、太陽光、熱、酸素など様々な外的要因により劣化します。
 高分子材料の耐候性評価には、野外暴露やウェザーメーター試験が用いられますが、その劣化評価には数週間から数ヶ月間を要します。 熱分解-GCMSとUV照射装置を用いることで、劣化生成物分析および劣化ポリマー分析から、これら高分子材料の耐候性を迅速に評価することが可能です。
■劣化生成物分析
 ポリスチレン樹脂を合成空気雰囲気下で100℃に加熱しながら1時間UV照射を行い、 樹脂の劣化過程で発生する微量のアウトガスをGCMS分析に供しました(図1)。
 UV照射試料からベンズアルデヒド、アセトフェノンを主成分として様々な劣化生成物が観測された一方、UV未照射試料からは観測されず、 これらの劣化生成物は光酸化分解によるものと示唆されました。高分子材料の光・熱・酸化劣化過程で発生する 微量のアウトガスをオンライン分析することで、 劣化生成物の化学種を特定することができます。

図1 ポリスチレン UV照射クロマトグラム
図1 ポリスチレン UV照射クロマトグラム
■劣化ポリマー分析
 上記の劣化生成物分析で実施したUV照射後の残渣試料を昇温加熱して、EGA曲線から加熱温度あたりの発生ガス量を観測し、 基質劣化の有無を評価しました(図2)。
 UV照射試料の熱分解ピーク頂温度は、UV未照射と比較して9℃低温側にシフトしており、 熱分解開始温度は350℃から310℃へと大幅に低下していました。 また、熱分解ガスの発生温度範囲も広がっており、分子量の低下や構造の不均一化など、UV照射による基質劣化が推定されました。
図2 ポリスチレン UV照射EGA曲線
図2 ポリスチレン UV照射EGA曲線