技術情報
ご依頼の手順 TEL/FAXでのお問合せ メールでのお問合せ 分析依頼票のダウンロード
トップ > 技術情報 > 有機・クロマト分析 > 食品中のアミノ酸分析
食品中のアミノ酸分析
■昨今のアミノ酸事情
  <食品栄養素としてのアミノ酸>
   アミノ酸には9種類の必須アミノ酸(トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、イソロイシン、ロイシン、ヒスチジン)と、11種類の非必須アミノ酸(アラニン、アルギニン、アスパラギン、セリン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、チロシン)があります。人体の約20%はタンパク質からなり、このタンパク質を構成しているのがアミノ酸です。人間の基本栄養素としてタンパク質・アミノ酸は生体を維持する重要な役目を担っています。
   
  <健康補助食品としてのアミノ酸>
   近年、健康志向が高まるとともに、様々な機能を持つアミノ酸が注目されています。特定のアミノ酸を含有する様々な食品が市販されています(成長ホルモンに関わるオルニチンや神経伝達物質のGABAなど)。またメタボリックシンドローム対策のための人工甘味料の一種のアスパルテームはフェニルアラニンのメチルエステルと、アスパラギン酸とがペプチド結合したものです。
   
  <味覚成分としてのアミノ酸>
   アミノ酸は味覚成分として重要な働きをします。グルタミン酸Naやアスパラギン酸Naのうま味は有名ですが、そのほかにもグリシン、アラニンなどは甘味、フェニルアラニン、アルギニン、ロイシンなどは苦味、グルタミン酸やアスパラギン酸は酸味を呈します。このようにアミノ酸は五基本味(酸味・甘味・塩味・苦味・旨味)のうち、塩味以外の味覚に影響し、食べ物の味を特徴付ける大きな要素となります。近年のグルメ志向の高まりもあり、食品中のこれらのアミノ酸バランスは、市販食品において重要な測定項目となっています。
   
■分析装置
   島津製作所製アミノ酸分析システムにて各種アミノ酸の測定を行います。この装置はOPA(オルトフタルアルデヒド)を反応試薬に用いるポストカラム蛍光検出法でアミノ酸を高感度に分析できます。イオン交換クロマトグラフィーでアミノ酸を分離した後,OPAで誘導体化し蛍光検出するのでプレカラム誘導体化法でしばしば見られる夾雑物の影響を受けることなく高精度で定量できます。検出感度,選択性,操作の簡便性などの点で優れており食品をはじめ広い分野に対応できます。
   
■分析事例
   抗ストレス作用、血圧上昇抑制作用を有するといわれるGABA配合醤油の分析例を紹介します。
GABA配合醤油と一般の醤油中のアミノ酸、GABAをHPLC-OPA ポストカラム法にて定量分析を行いました。
 その結果、いずれの醤油もGABA以外のアミノ酸組成にそれほど大きな違いはありませんでした。GABA配合醤油では一般の醤油に比べ、GABAが20倍以上の濃度で検出されました。
表 醤油中アミノ酸分析結果
ピーク番号 成分名 GABA配合醤油 醤油
1 アスパラギン酸 5.6 7.1
2 スレオニン 2.7 3.7
3 セリン 3.4 4.7
4 グルタミン酸 11 9.5
5 プロリン 4.6 4.9
6 グリシン 2.3 2.6
7 アラニン 4.5 4.1
8 シスチン <0.024 <0.024
9 バリン 3.7 4.5
10 メチオニン 0.91 1.3
11 イソロイシン 3.3 4.4
12 ロイシン 4.9 6.3
13 IS〈ノルロイシン〉 - -
14 チロシン 0.31 0.63
15 フェニルアラニン 3.0 3.5
16 GABA 4.5 0.17
17 ヒスチジン 0.60 1.8
18 リジン 3.5 4.7
19 アルギニン 1.3 4.6
単位:[mg/mL]
図1 GABA配合醤油クロマトグラム
図1 GABA配合醤油クロマトグラム

図2 一般の醤油クロマトグラム
図2 一般の醤油クロマトグラム

■島津テクノリサーチのアミノ酸分析
   アスパラギン酸、スレオニン、セリン、グルタミン酸、プロリン、グリシン、アラニン、システイン、バリン、メチオニン、イソロイシン、ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、ヒスチジン、リジン、アルギニン、アスパラギン、グルタミン、トリプトファン、ホスホセリン、タウリン、ホスホエタノールアミン、ヒドロキシフロリン、ザルコシン、α−アミノアジピン酸、シトルリン、α−アミノらく酸、シスタチオニン、β−アラニン、β−アミノイソらく酸、γ−アミノらく酸、3−メチルヒスチジン、1−メチルヒスチジン、カルノシン、アンセリン、ヒドロキシリジン、オルニチン、などの定量分析が可能です。