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グリーン調達支援
●RoHS2(改正RoHS)分析
●フタル酸エステル類分析
●California Proposition 65 評価試験
●CPSIA
●ハロゲンフリー対応
●玩具EN71-Part3分析
●環境負荷物質の分析
●PFOS/PFOA分析
●PAH(AfPS GS2014:01)
PAH(多環芳香族炭化水素)
「AfPS GS2014:01PAK(GSマーク認証のための多環芳香族炭化水素(PAH)試験)」に基づく樹脂・ゴム中の
PAH分析についてISO/IEC 17025試験所認定を取得しました
 グリーン調達対応として、ドイツの「AfPS GS2014:01PAK(GSマーク認証のための多環芳香族炭化水素(PAH)試験)」に準拠した分析、REACH規則の高懸念物質(SVHC)を対象とした分析、他にも特殊な条件での分析に対応可能です。
■背景
 PAH(多環芳香族炭化水素)は、有機物の不完全燃焼や熱分解等で生成する化学物質で、その毒性から国際的にも規制が厳しくなってきており、国内外でも規制の動きが出ています。
 PAHの中ではナフタレンが、染料中間物、合成樹脂、爆薬、防虫剤などとして使用されています。
 (初期リスク評価書No.51(初期)ナフタレン、2013年5月 厚生労働省参照)
 また、ゴムや軟質プラスチックに含まれる軟化油、ゴムやプラスチックで黒色顔料として使用される煤にも微量含まれており、PAHを含有している可能性のある材料として、ゴムだけでなく、ABS樹脂やポリプロピレン、ラッカーコーティングしたプラスチックや天然素材などがあることがわかっています。
 (ZEK01.4-08 Testing and Validation of Polycyclic Aromatic Hydrocarbons (PAH) in the course of GS-Mark Certification
 (GSマーク認証のための多環芳香族炭化水素(PAH)試験参照)
 PAHsの毒性については、発ガン性が古くから知られており、特にベンゾ[a]ピレンについては、World Health Organization(WHO)の一組織であるInternational Agency for Research on Cancer(IARC)の発ガン性分類への総合評価ではもっともランクの高いGroup1(発ガン性のあるもの)にランクづけられるなど、その健康影響が注目されています。

■海外での規制(製品等)
 PAHの製品等に関する規制として、2007年11月に、GSマーク認証についてPAH検査を必須項目とする通達(ZEK 01-08)が出されました。
 口に入れたり接触したりする可能性があるものについての規制値は、ベンゾ[a]ピレンで0.2ppm未満、EPA指定16物質PAHの合計値が0.2ppm未満とされました。この通達は、ZEK 01.4-08として2011年11月29日に改正され、規制はEPA指定16物質にベンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[e]ピレンを含めた18物質が対象となっています。

 2014年8月にドイツ製品安全委員会(German AfPS)はAfPS GS2014:01PAK により、GS認証におけるPAHsの評価と試験に関する新しい要求事項を定めました。ZEK 01.4-08における主要な変更は物質に関する基準の設定とカテゴリの修正になります。この改正は2015年7月1 日より適用になります。

 AfPS GS2014:01PAKによる主要な変更は、以下の通りです。
  (引用元:経済産業省 化学物質安全対策 「諸外国における多環芳香族炭化水素規制に関する動向調査」 報告書 平成27年3月)

・PAHs に関する規制値の設定
  −10 種のPAHs に関する規制値の設定
    (ベンゾ[e]ピレン、ベンゾ[a]アントラセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、クリセン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、ベンゾ[g,h,i]ペリレン、インデノ[1,2,3-cd]ピレン、ナフタレン)
  −7 種のPAHs の合計に関する規制値の設定
    (アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナントレン、ピレン、アントラセン、フルオランテン)
−カテゴリー2及び3に関するベンゾ[a]ピレン及び18 種のPAHs の合計値の規制値の低減

・カテゴリー2及び3の対象の変更
  −カテゴリー2は短期間繰り返し肌に接触する材料を含むこととした
  −カテゴリー2及び3は2つのグループに分けられた(欧州玩具指令2009/48/EC に定義される玩具とProdSG(ドイツ製品安全法)に定められるその他の全ての製品)

AfPS GS2014:01PAK により定められたPAHsに関する要求事項の一覧を表にまとめます。

表 2014年8月4日修正によるAfPSによるGSラベル認証のためのPAHsに関する要求事項
化学物質名 CAS 番号 規制値 (mg/kg)
カテゴリー 1 カテゴリー 2 カテゴリー 3
口に入れることやしっかりと長時間(30秒超)肌に触れる玩具中の材料 カテゴリー1に含まれないもので、予見可能な肌への接触が30秒を超え(長時間の肌接触)、または繰り返し短時間肌に接触する材料 カテゴリー1または2に含まれないもので、30秒以内の肌の接触(短時間の肌接触)が予見可能な材料
2009/48/ECに定義する玩具 ProdSGの他の製品 2009/48/ECに定義する玩具 ProdSGの他の製品
ベンゾ[a] ピレン(BaP) 50-32-8 < 0.2 < 0.2 < 0.5 < 0.5 < 1
ベンゾ[e]ピレン (BeP) 192-97-2 < 0.2 < 0.2 < 0.5 < 0.5 < 1
ベンゾ[a]アントラセン (BaA) 56-55-3 < 0.2 < 0.2 < 0.5 < 0.5 < 1
ベンゾ[b]フルオランテン(BbFA) 205-99-2 < 0.2 < 0.2 < 0.5 < 0.5 < 1
ベンゾ[j]フルオランテン(BjFA) 205-82-3 < 0.2 < 0.2 < 0.5 < 0.5 < 1
ベンゾ[k]フルオランテン(BkFA) 207-08-9 < 0.2 < 0.2 < 0.5 < 0.5 < 1
クリセン(CHR) 218-01-9 < 0.2 < 0.2 < 0.5 < 0.5 < 1
ジベンゾ[a,h]アントラセン(DBAhA) 53-70-3 < 0.2 < 0.2 < 0.5 < 0.5 < 1
ベンゾ[g,h,i]ペリレン 191-24-2 < 0.2 < 0.2 < 0.5 < 0.5 < 1
インデノ[1,2,3-cd] ピレン 193-39-5 < 0.2 < 0.2 < 0.5 < 0.5 < 1
アセナフチレン 208-96-8 Sum: < 1 Sum: < 5 Sum: < 10 Sum: < 20 Sum: < 50
アセナフテン 83-32-9
フルオレン 86-73-7
フェナントレン 85-01-8
ピレン 129-00-0
アントラセン 120-12-7
フルオランテン 206-44-0
ナフタレン 91-20-3 < 1 < 2 < 10
上記 18種 PAH 合計 < 1 < 5 < 10 < 20 < 50
 なお、その他の規制として、EUにおけるREACH規則の付属書XVII(制限物質)に、PAH8物質(ベンゾ[a]ピレン、、ベンゾ[e]ピレン、ベンゾ[a]アントラセン、クリセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、ジベンゾ[a,h]アントラセン)が、高懸念物質(SVHC)の候補リストに、アントラセンが挙げられています。
 また、米国環境保護局(EPA)はPAHs16物質(ナフタレン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、ピレン、クリセン、ベンゾ[a]アントラセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、ベンゾ[a]ピレン、インデノ[1,2,3-cd]ピレン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、ベンゾ[g,h,i]ペリレン)を優先汚染物質として指定し、規制の対象としています。
 California Proposition 65でも、PAHs 9物質(ナフタレン、クリセン、ベンゾ[a]アントラセン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、ベンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[a]ピレン、インデノ[1,2,3-cd]ピレン、ジベンゾ[a,h]アントラセン)が、発ガン性の有ることが知られている物質としてリストされています。

■国内での規制

 国内では「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」で、クレオソート油を含有する家庭用の木材防腐剤及び木材防虫剤、並びにクレオソート油及びその混合物で処理された家庭用の防腐木材及び防虫木材を対象とし、多環芳香族炭化水素類(PAHs)のうちジベンゾ[a,h]アントラセン、ベンゾ[a]アントラセン及びベンゾ[a]ピレンの3種類の含有量が規制されています。
 基準値は以下の通りです。

種別 物質名 基準
クレオソート油を含有する家庭用
木材防腐剤及び木材防虫剤

ジベンゾ[a,h]アントラセン
ベンゾ[a]アントラセン
ベンゾ[a]ピレン

いずれも10ppm 以下
クレオソート油及びその混合物を
用いて処理された家庭用の防腐木材及び防虫木材

ジベンゾ[a,h]アントラセン
ベンゾ[a]アントラセン
ベンゾ[a]ピレン

いずれも3ppm 以下

 これらの規制に係る分析にも対応いたします。

■構造
  「PAH(多環芳香族炭化水素)」の用語は、一般的に、炭素原子と水素原子により構成された複数のベンゼン骨格を基本構造とする化合物群の総称で、置換基のあるものを含めると何百種類もの物質が存在します。このうち、AfPS GS2014:01PAKで規制対象として指定されているのは以下の18種です。

物質名 構造式 CAS番号 物質名 構造式 CAS番号
ナフタレン 91-20-3 アセナフチレン 208-96-8
アセナフテン 83-32-9 フルオレン 86-73-7
アントラセン 120-12-7 フェナントレン 85-01-8
フルオランテン 206-44-0 ピレン 129-00-0
ベンゾ[a]アントラセン 56-55-3 クリセン 218-01-9
ベンゾ[b]フルオランテン 205-99-2 ベンゾ[k]フルオランテン 207-08-9
ベンゾ[a]ピレン 50-32-8 ベンゾ[ghi]ペリレン 191-24-2
インデノ[1,2,3-cd]ピレン 193-39-5 ジベンゾ[a,h]アントラセン 53-70-3
ベンゾ[j]フルオランテン 205-82-3 ベンゾ[e]ピレン 192-97-2

表 各種規制の対象物質リスト
No. 物質名 CAS番号 US EPA
指定物質
REACH
制限物質
AfPS GS2014:01PAK
1 ナフタレン  Naphthalene  91-20-3  -
2 アセナフチレン  Acenaphthylene  208-96-8  -
3 アセナフテン  Acenaphthene  83-32-9  -
4 フルオレン  Fluorene  86-73-7  -
5 アントラセン  Anthracene  120-12-7  -
6 フェナントレン  Phenanthrene   85-01-8 -
7 フルオランテン  Fluoranthene  206-44-0  -
8 ピレン  Pyrene  129-00-0  -
9 ベンゾ[a]アントラセン  Benzo[a]anthracene  56-55-3 
10 クリセン  Chrysene  218-01-9 
11 ベンゾ[b]フルオランテン  Benzo[b]fluoranthene  205-99-2 
12 ベンゾ[j]フルオランテン  Benzo[j]fluoranthene  205-82-3  -
13 ベンゾ[k]フルオランテン  Benzo[k]fluoranthene  207-08-9 
14 ベンゾ[a]ピレン  Benzo[a]pyrene  50-32-8 
15 ベンゾ[e]ピレン  Benzo[e]pyrene  192-97-2  -
16 ベンゾ[ghi]ペリレン  Benzo[ghi]perylene   191-24-2  -
17 インデノ[1,2,3-cd]ピレン  Indeno[1,2,3-cd]pyrene  193-39-5  -
18 ジベンゾ[a,h]アントラセン  Dibenz[a,h]anthracene  53-70-3 
物質数 16 8 18
■PAHを分析する際の留意点と当社の特徴
 PAHは何百種類もの物質が存在し、環境中にも多く検出される物質です。その中から対象となる成分を正確に分析するには、以下の点に留意する必要があります。

  1.  分析装置による目的成分の分離を徹底する事
    対象成分と対象成分以外のPAHには、わずかな違いしかない事が多く、精製などの前処理操作では除くことが出来ない事が殆どです。これら性質の似通った物質の分離は、分析装置に頼る他ありません。当社では下記の2つの方法を用いる事で優れた分離能力を有しています。
      高分解能GC/MSの使用: 汎用機である低分解能GC/MSに比べ、高い選択性と高感度を有しており、全ての試料について用いています。
      複数のキャピラリーカラムによる分析: PAHは単独のカラムによる測定だけでは、分離しきれない事があります。分離出来ていない状態での分析では、定量値を高く見積もるリスクが発生します。複数のカラム条件を把握し、それらを組み合わせる事で最良の条件での測定を行います。
         
  2.  適切な内標準物質を使用する事
    対象成分とその他PAHの違いはわずかで、分析結果の同定作業も難しいのが実状です。AfPS GS2014:01PAKでは、対象成分のうち一部の内標準品添加で良く、しかも対象成分とは検出される位置がずれる重水素(D)体標識の化合物で良い事になっています。D体は安価ですが、同定に関しては誤判定に繋がる危険を持っています。当社では、対象成分との挙動が近い13C標識化合物を内標準物質として用いています。また、入手可能な限りの標準品(EPA16物質)を内標準物質として添加しています。コストはかかりますが、正確な同定が可能です。
     
  3.  各種試料からの抽出
    分析される試料材質は多岐に渡り、それぞれ適切な方法は異なります。
当社では、RoHS指令などでの臭素系難燃剤分析で一万検体を超える多くの試料、多岐に渡る材質の経験があります。試料材質に最適な溶媒を用いた溶媒抽出法を基本とした分析法を構築しています。

→ 臭素系難燃剤の分析についてはこちらへ >>
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