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イメージングMS

概要

イメージングMSとは、光学顕微鏡で観察された形態画像と、質量分析計によって得られた質量情報を重ねることで、サンプル中における化合物の分布を可視化する技術です。
バイオマーカー探索や代謝物測定といった医学分野、薬物動態解析やドラッグデリバリーシステム(DDS)といった薬学分野、食品中の成分分布や植物中の農薬分布といった農学・環境分野の他、幅広い分野で利用いただけます。

イメージングMSの原理

イメージングMSの原理

特徴・用途

iMScope装置

iMScope装置詳細 [(株)島津製作所 HP]

●    特徴

  • 高空間分解能イメージング
  • 大気圧下でのイオン化
  • MSn測定による分子同定
  • 光学/蛍光顕微鏡を搭載

~あらゆる分野の研究の最前線へ~

●    Pharmaceuticals(医薬品関連)

  • 薬物動態解析
  • 未変化体/代謝物の分布計測
  • 薬効/薬理機構研究
  • 毒性メカニズム解析
  • DDS研究

 

●    Medical Research(医学研究)

  • バイオマーカー探索
  • 脂質分析
  • 代謝物分析
  • 病態解析(病理研究)
  • 微細構造解析

分析・試験事例

<測定実施例>

●    イメージングMSを用いたマーカー探索手法

 近年MALDI法による質量分析を用いて生体組織切片から直接、対象とする生体分子 (低分子代謝産物,脂質,ペプチドやタンパク質など)を解析する方法が注目を集めており、 疾病部位におけるバイオマーカー探索への応用が期待されています。
 また疾患バイオマーカー探索においては病変部位と正常部位間でのMSシグナルの変動を比較して、 バイオマーカーとしての特徴的なMSシグナルの探索が行われます。
iMScopeを用いたマーカー探索事例

<高空間分解能の必要性>

●    網膜

  網膜色素上皮層を可視化するためには10 μm以下の空間分解能が必要
網膜の光学顕微鏡写真
網膜の光学画像など

<試験の流れ>

試験の流れ

●    提供試料

試料は8-12μm厚の切片を、ITOコートスライドガラスに載せてご提供いただきます。

●    切片作製

切片はお客様に作製して頂いていますが、困難な場合はお問合せください。

●    保存方法

切片安定状態で-80℃(ディープフリーザー)

●    送付方法

発泡スチロール容器にドライアイスを入れ冷凍便で送付ください。

●    分析条件

対象物質の指定および測定プロトコルの協議

●    解析方法

試験内容により下記の解析を別途承っています。詳細はご相談ください。
ROI解析 指定した領域間でt検定を行い、差異の見られるピークを抽出する解析法
HCA解析 分布の類似したマスイメージをグループ化する解析方法
PCA解析 主成分解析.画像解析により特徴的なパターンを見つけ出し、 特異的な分布を持つ分子や相関にある 分子を見出す解析方法

■    注意点

感染性の疑われる検体については、実施可否の確認の為、事前連絡をお願いします。

20201019