概要


残留物評価試験
概要
医薬品製造設備では、次製造品目への交差汚染の防止や異物混入を防止するために、設備の洗浄方法の妥当性を評価して文書化する洗浄バリデーションが重要視されており、PIC/S に参加している規制当局の査察時の注目点となっています。
洗浄バリデーションの概要
検討項目 | 例 |
1) 対象設備の選定 | 製造設備、製造環境など |
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2) 対象物質の選定 | 有効成分、分解生成物、添加物、洗浄剤、微生物、エンドトキシンなど |
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3) 設備の洗浄方法の確立 | 洗剤洗い、滅菌、循環洗浄など |
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4) 残留物サンプリング方法の確立 | スワブ法、リンス法など |
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5) 残留物評価試験方法の確立 | 有機体炭素試験法(TOC測定法)、直接燃焼炭素測定法(固体TOC測定法)、 残留溶媒試験法(HS-GC法、HPLC法)、滴定法、 微生物限度試験法、 エンドトキシン試験法など |
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6) 許容限度値の確立 | 各企業が独自に設定 |
設備の洗浄方法の妥当性を検証するためには、洗浄後設備の残留物を採取し、その量が許容限度以下であることを評価します。
当社では、GMP体制/信頼性基準により、TOC測定法を中心とした残留物評価試験の受託分析を提供しております。
分析・試験方法
洗浄バリデーションに使用されるサンプリング方法と測定法

TOC測定による洗浄バリデーション
有機体炭素試験法(TOC測定法)は有機物を構成する炭素の総量を測定する方法です。 TOC測定法は有機物を網羅的に検出し評価することができるため残留物評価方法の第一選択として認識されつつあります。
リンスサンプリング-TOC測定法
製造設備や器具を水でリンス洗浄し、最終リンス液を試料としてTOC測定する方法です。
この方法は、CIP設備や細い配管のような接近できないシステムや日常的に分解できないシステムなどに適しています(定量限界:0.05 mg/L)。
この方法は、CIP設備や細い配管のような接近できないシステムや日常的に分解できないシステムなどに適しています(定量限界:0.05 mg/L)。
スワブサンプリング-水抽出-TOC測定法
製造設備や器具の内部表面を無機材質の石英ガラス製スワブ材で拭き取り、その付着物を水で抽出し、抽出液のTOCを測定する方法です。スワブ材で設備表面の一定面積を拭き取り、残留物を物理的に採取することから、残留物の採取効率は高くなります。

Fig1.スワブサンプリング-水抽出-TOC測定法
*島津製作所カタログより抜粋、加工
スワブサンプリング-直接燃焼炭素測定法
製造設備や器具の内部表面を無機材質の石英ガラス製スワブ材で拭き取り、直接燃焼炭素測定システム(固体TOC計)で測定する方法です。水で抽出が困難な不溶性の残留物も採取することが可能であり、またスワブ材からの試料抽出などの前処理を必要としないため、迅速かつ簡便に測定することができます(定量限界:10μgC)。

Fig2.スワブサンプリング-直接燃焼炭素測定法
*島津製作所カタログより抜粋、加工
特定の化合物や微生物の残留を確認する場合には、残留溶媒試験法(HS-GC法、 HPLC法)、滴定法、微生物限度試験法、エンドトキシン試験法などによる残留物評価も承っております。
20191112
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