概要
1,4-ジオキサン
概要
廃棄物(廃油、廃酸、廃アルカリ)中の1,4-ジオキサン分析には、夾雑物質の影響を低減し、試料の特性に合わせた技術対応が必要です。
当社では、この技術対応と、お客様のニーズに合わせた最適な結果の提供が可能です。
水試料(放流水等)中の1,4-ジオキサン分析はもちろん、廃棄物中の1,4-ジオキサン分析は当社にご用命ください。
実績
当社では、水試料(放流水等)中における1,4-ジオキサン濃度の分析はもちろん、廃棄物中1,4-ジオキサンの実態調査業務(環境省)をはじめとした、廃棄物中1,4-ジオキサン分析についても多くの実績を持っています。
・分析メニュー
・廃油 ・水質 ・廃酸、廃アルカリ ・底質 ・廃棄物(燃え殻、ばいじん汚泥) ・ その他
・分析例
固相抽出法により分析 公定法(環境庁告示第59号 昭和46年)に準ずる |
液々抽出法により分析 | |
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試料に含まれる水溶性溶媒の影響を受けて回収率が低下 | 試料の性状に合わせた適切な処理方法を選択することで回収率の大幅な改善が認められた |
法規制・規格
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令の一部を改正する政令が平成25年1月23日に公布されたこと等に伴い、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則等の一部を改正する省令」が平成25年2月21日に公布され、平成25年6月1日から特定の施設から排出される一定濃度以上の1,4-ジオキサンを含む、ばいじん、廃油(廃溶剤)、廃酸、廃アルカリが特別管理産業廃棄物に追加されました。
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則等の一部を改正する省令」の公布について(お知らせ)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16351 [環境省HPへ]
■改正の概要
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部改正 1,4-ジオキサンについて特別管理産業廃棄物に該当するものとして環境省令で定める基準を、以下の表に適合しないこととする。
廃棄物の種類 | 基 準 | |
---|---|---|
指定下水汚泥関係 (規則第1条の2第5項関係) |
指定下水汚泥又は指定下水汚泥を処分するために処理したもの (廃酸又は廃アルカリ以外) |
0.5mg/L以下 |
指定下水汚泥を処分するために処理したもの(廃酸又は廃アルカリ) | 5mg/L以下 | |
ばいじん関係 (規則第1条の2第8項関係) |
ばいじん又はばいじんを処分するために処理したもの(廃酸又は廃アルカリ以外) | 0.5mg/L以下 |
ばいじんを処分するために処理したもの(廃酸又は廃アルカリ) | 5mg/L以下 | |
廃油関係 (規則第1条の2第10項関係) |
廃油を処分するために処理したもの(廃油) | 廃溶剤でないこと |
廃油を処分するために処理したもの(廃酸又は廃アルカリ) | 5mg/L以下 | |
廃油を処分するために処理したもの(廃酸又は廃アルカリ以外) | 0.5mg/L以下 | |
汚泥、廃酸又は廃アルカリ関係 (規則第1条の2第11項関係) |
汚泥若しくは汚泥、廃酸又は廃アルカリを処分するために処理したもの (廃酸又は廃アルカリ以外) |
0.5mg/L以下 |
廃酸又は廃アルカリ若しくは汚泥、廃酸又は廃アルカリを処分するために処理したもの (廃酸又は廃アルカリ) |
5mg/L以下 |
■改正により特別管理産業廃棄物に追加された廃棄物
・ | 「汚泥」「ばいじん」 | 1,4-ジオキサンの溶出濃度が0.5mg/Lを超えるもの |
・ | 「廃酸」「廃アルカリ」 | 1,4-ジオキサンの含有濃度が5mg/Lを超えるもの |
・ | 「廃油」 | 廃溶剤(1,4-ジオキサンに限る) ⇒ 濃度に関係なく特別管理産業廃棄物となる |
・ | 上記廃棄物を処分するために処理したもの |
■基準値
廃棄物の種類 | 基準 |
---|---|
燃え殻、ばいじん若しくは燃え殻又はばいじんを処分するために処理したもの (判定基準省令第1条第2項、第3条第2項) |
0.5mg/L以下 |
汚泥、指定下水汚泥及びこれらの産業廃棄物を処分するために処理したもの (判定基準省令第1条第8項、第3条第12項) |
廃棄物の種類 | 基準 |
---|---|
有機性汚泥、動植物性残さ (判定基準省令第2条第1項、第4項) |
0.5mg/kg以下 |
無機性汚泥(判定基準省令第2条第2項) | 0.05mg/L以下 |
廃酸又は廃アルカリ、家畜ふん尿 (判定基準省令第2条第3項、第5項) |
0.5mg/L以下 |
種類 | 基準 |
---|---|
放流水基準 (管理型) |
0.5mg/L以下 |
地下水基準 (全処分場共通) 浸透水基準 (安定型) |
0.05mg/L以下 |
1,4-ジオキサンは、化学工業、医薬品製造業、繊維工業、一般機械器具製造業等で、主に有機合成反応溶剤として用いられていますが、化学反応(エチレンオキサイド重合反応)や界面活性剤生成の際の副生成が1,4-ジオキサンの主な生成経路として把握されています。また廃棄物からの浸出が報告されており、環境省の行った実態調査では、最終処分場の放流水で環境基準値を超過する事例が報告されてきています。
■検定方法
1,4-ジオキサンに係る検定方法としては、それぞれ以下が示されています。
基準値 | 検定方法 | ||||||||||||||
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(1) 廃棄物最終処分場における放流水等に係る基準 | 「排水基準を定める省令の規定に基づく環境大臣が定める排水基準に係る検定方法(昭和49年環境庁告示第64号)」で定める方法
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「地下水の水質汚濁に係る環境基準について(平成9年環境告示第10号)」で定める方法
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【海洋投入等を行う有機性汚泥】
報告書別紙1-2
【それ以外の廃棄物】
産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法(昭和48 年環境庁告示13号)」に基づき検液の作成を行った上で、水質汚濁防止法に基づく排出基準に係る検定方法
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対象化合物
1,4-ジオキサンは、常圧常温において無色透明の液体の有機化合物です。
主な用途は、塩素系溶剤の安定剤であり、他に、はく離剤、洗浄剤、脱臭剤、合成皮革表面処理剤、医薬品用抽出溶剤、農薬用抽出溶剤、各種工業溶剤として使用されています。
ヒトへの影響は、急性毒性として本物質の吸入によりめまい、頭痛、吐き気、嘔吐、咽頭痛、腹痛、眠気、意識喪失の症状が起こります。また、ヒトでの発がん性に関しては十分な証拠がないため、IARC(国際がん研究機関)の評価では2B(ヒトに対して発がん性が有るかもしれない)に分類されています。
20210401