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正常品と異常品の比較分析

2011年02月18日更新

概要

 製品の保管や製造工程などで、製品に異常(膨張、変色、異臭など)が見られることがあります。 当社では長年培った様々な技術を駆使し、その原因追及のお手伝いをしています。
 製品の異常に応じて、より最適な前処理、より最適な条件分析を選択し、正常品と異常品を比較します。 その差から異常の原因と思われる成分をつきとめます。

分析・試験事例

その1 <食品容器の膨張>

 食品包装袋が膨張する事案が発生しました。
 異常品(膨張した食品包装袋)と正常品の袋内ガスを採取し、GC/TCDにより比較分析しました。

GC/TCD

O=C=O<二酸化炭素>

食品中の微生物活動に伴う二酸化炭素の増加を推定

 

その2 <製品からの異臭>

 製品から硫黄系のにおいがするクレームが発生しました。
 異常品と正常品が空気中に放散する化学成分をGC/FPDにより比較分析しました。

GC/TCD

H3C-SH<メチルメルカプタン(MM)>

悪臭物質の1種で腐った玉葱のようなにおい。 嗅覚閾値濃度1)が低いため、低濃度でも非常に強いにおいを感じる。

H3C-S-S-CH3<ジメチルジスルフィド(DMDS)>

悪臭物質の1種で腐ったキャベツのようなにおい。

1)     嗅覚閾値濃度
 人が嗅覚でにおいを感じることのできる最小濃度を指します。嗅覚閾値濃度が低い化学物質は、においへの寄与率が大きくなります。

その3 <製品からの異臭>

 製品から硫黄系のにおいがするクレームが発生しました。
 異常品と正常品が空気中に放散する化学成分を濃縮捕集後、TD-GC/MSにより比較分析しました。

 

gc_ms
2)     TD-GC/MS
 加熱脱着-ガスクロマトグラフ質量分析計。捕集管(吸着剤を充填したもの)に大量の試料ガスを濃縮することが可能であるため、低濃度で存在する成分も測定が可能となります。