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野菜の表面に発生した白色粉の分析

2011年07月20日更新

概要

 「食の安全」への関心が高まる中、混入異物だけでなく日常よく見られる食品の変化(変色・変質等)についても安全上問題がないか気になるところです。
 カット野菜(かぼちゃ)の切り口に生じた白色粉について、カビではないかという相談があったため、外観観察及びFTIR法と呈色反応により定性分析を行った事例を紹介します。

分析・試験事例

■外観観察

 外観観察の結果、白色粉は結晶粒状でした。

野菜
野菜

■FTIR測定

 白色粉を採取して赤外吸収スペクトルを測定した結果、白色粉はデンプンなどの多糖類と推察されました。

図1. 白色粉のFT-IRスペクトル

図1. 白色粉のFT-IRスペクトル

■呈色反応による確認

 白色粉をヨウ素デンプン反応で確認したところ紫色を呈し、デンプンであることが確認できました。

野菜

反応前

野菜

反応後

 かぼちゃの切り口に生じたカビのようにみえた白色粉は、かぼちゃに含まれるデンプンが表面にしみ出て乾燥したものと考えらます。

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