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高濃度硫酸処理/カラム分画 GC-ECD法による絶縁油中の微量PCB簡易定量法

2010年02月19日更新

概要

-高濃度硫酸処理/シリカゲルカラム分画/キャピラリーガスクロマトグラフ/電子捕獲型検出器(GC-ECD)法-

■分析フロー

分析フロー

※鉱油以外な別途追加前処理費用必要 

gc_ecd 

特徴・用途

1.告示法との良好な相関

 告示法(GC-HRMS法)による測定結果と良好な相関を示します。
 0.15~2.7mg/kgの濃度範囲において、相関係数が0.99以上となり、簡易測定法分析値と公定法分析値と相関性が非常に良いことがわかります。

相関関係  

2.様々な油種が測定可能

 電気絶縁油JIS C 2230に定める7種の規定のすべての油種に対応可能です。 

 <JIS C 2320 電機絶縁油中によるベースオイル区分>

絶縁油の種類 用途
1種 鉱油 トランス、    コンデンサ、OFケーブル
2種 アルキルベンゼン コンデンサ、OFケーブル
3種 ポリブテン コンデンサ、OFケーブル
4種 アルキルナフタレン コンデンサ
5種 アルキルジフェニルアルカン コンデンサ
6種 シリコーン油 トランス
7種 1種絶縁油と2種絶縁油の混合絶縁油 トランス、コンデンサ、OFケーブル
トランス油 コンデンサ油
トランス油
コンデンサ油

(硫酸を加えて振り混ぜたもの) 

分析・試験項目

■油各種のクロマト例

 カネクロール各製品(KC-300、KC-400、KC-500、KC-600)を各種絶縁油に0.5mg/kg(合計2mg/kg)となるように添加したKC混合品を本法で前処理したときに得られる、油各種PCB0.1μg/mL溶液のクロマトを示します。

クロマト結果

分析・試験結果

■繰り返し測定

 PCBを含まない絶縁油試料に既知量のPCBを添加し本方法による前処理を行いGC-ECDによる測定を行いました。
繰り返し測定の結果、高回収率・良好な再現性を得ました。

  実測値(mg/kg)
n=1 1.911
n=2 1.977
n=3 2.007
n=4 1.996
n=5 1.916
n=6 2.034
n=7 1.885
平均値 1.973(mg/Kg)
実測平均値 / 調整濃度  94.0(%)
標準偏差 0.052

CV

2.7(%)
標準資料: 標準品(KC-mix 100ng/mL)
調整資料: 高圧絶縁油AにPCBを2mg/kgとなるように添加
クロマト結果
  実測値(mg/kg)
n=1 1.911
n=2 1.977
n=3 2.007
n=4 1.996
n=5 1.916
n=6 2.034
n=7 1.885
平均値 1.973(mg/Kg)
実測平均値 / 調整濃度  94.0(%)
標準偏差 0.052

CV

2.7(%)
標準資料: 標準品(KC-mix 100ng/mL)
調整資料: 高圧絶縁油AにPCBを2mg/kgとなるように添加
クロマト結果