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第24回環境化学討論会 参加報告

2015年6月26日更新

学会発表・論文 学会参加報告 環境化学討論会

第24回環境化学討論会 参加報告

会場 

開催期間:平成27年6月24日-26日
開催地:札幌コンベンションセンター(札幌市)

<当社の研究成果発表内容>
 https://www.shimadzu-techno.co.jp/news/gakkai/news150612.html
<第24回環境化学討論会の情報>
 http://www.j-ec.or.jp/conference/24th/index.html

 

6月24日~6月26日、札幌コンベンションセンターにおいて第24回環境化学討論会
(主催:一般社団法人日本環境化学会)が開催されました。

当社は連名を含み、7題の研究成果を発表するとともに、実行委員としても運営を支援いたしました。
討論会の概要や主な研究報告、講演の内容などをレポートいたします。

会場の様子

 

 参加者は約540名、総発表演題数は、336、口頭発表;155、ポスター発表; 181でした。
 一般発表では日本語の発表の他に、国際セッション(海外招聘含む)や水銀モニタリングネットワークの特別セッションがありました。

 今回のテーマ「環境化学の新たな展開 -環境毒性学の視点を加えて-」の通り、実行委員会の主催者側である北海道大学大学院獣医学研究科の研究分野に関連するような、多彩な毒性関連の発表が多くありました。また大学特に学生の発表が多いのも特徴でした。    

<主な発表内容>

 発表内容としては、対象物質の広がりが感じられました。既存の化学物質だけでなく生理活性物質、界面活性剤、化成品・添加剤・可塑剤、たばこ、ナノマテリアルなどの発表がみられました。
 また、テーマとしては、従来から多い分析技術や環境レベルだけでなく、毒性影響や動態解析(生体、環境)、生態系影響、オミクス、食品・生活用品・医薬品震災関連廃棄物、浄化処理リサイクルなど幅広い分野に展開しているように感じました。

討論会の様子 (筆者 受賞講演者の座長)

討論会の様子
(筆者 受賞講演者の座長)

 具体的な発表の中では、TOFMS分析技術に関する発表、多成分網羅的分析、PCB処理関連の簡易分析、微量有機汚染物質のスクリーニング分析、東南アジア地域のE-wasteリサイクル現場における臭素系難燃剤はじめとする環境汚染実態調査、合成抗菌剤・抗生物質汚染、室内環境の化学物質ばく露、PCBの毒性関連研究、バイオアクセシビリティ、水銀に関する水俣条約における水銀測定技術、ペットフード中の化学物質、放射性セシウムの動態解明、ストロンチウム分析、浄化処理技術などがキーワードとして挙げられていました。

 一般発表のほかにも、主な企画としては、特別講演、受賞講演、学生賞、自由集会(7テーマ)、交流会、企業展示、ランチョンセミナー、JESCO北海道の施設見学など盛りだくさんの企画がありました。
 特別講演の柴田康行 先生(国立研究開発法人国立環境研究所)の「環境を測る-何を知りたいか、どうすればわかるのか-」および井口泰泉 先生(大学共同利用機関法人自然科学研究機構基礎生物学研究所)「信頼できる環境毒性研究の必要性」は、現場でかかわる研究者や学生には非常に興味深い講演であったと思います。

 自由集会では、一般発表とは異なり、もっと深く掘り下げて本音で議論出来るような企画が多く、環境化学と周辺分野の連携・協働や国際化の可能性、福島のその後、石綿リスク、バイオアッセイスクリーニングと化学分析を組み合わせた総合的評価法、PPCP、環境化学の本質ってナンダ?など、新しい動きと活気が感じられました。

 当社ではこの討論会に毎年継続して、複数題の研究発表を行ってきています。
 国内外の研究者とのネットワークも多数構築でき、最前線の研究活動や情報交換を行うことができる場となっています。
 今後もこうした、学会への参加を通じて、分析機関の一員として、最前線の研究を継続支援していきたいと考えております。