background image background image

第23回環境化学討論会 参加報告

2014年5月16日更新

学会発表・論文 学会参加報告 環境化学討論会

第23回環境化学討論会 参加報告

会場

 

開催期間:2014年5月14日-5月16日
開催地:京都大学(京都市)

<第23回環境化学討論会の情報>
 http://www.j-ec.or.jp/conference/23rd/index.html

 

5月14日~5月16日、京都大学において第23回環境化学討論会(主催: 日本環境化学会)が開催されました。
当社は連名を含み、10題の研究成果を発表するとともに、16年ぶりの京都開催ということで、実行委員としても運営を支援いたしました。
討論会の概要や主な研究報告、講演の内容などをレポートいたします。

当日は、葵祭(5月15日)と重なっており、交通規制が実施されたり、ホテルの確保が困難になったりとの影響がありました。

会場

また、質量分析討論会 (阪急エキスポパーク)、食品衛生学会などと同時期の開催となったこともあり、例年よりも参加者が減少しました。それでも500名を超える参加者がありました。

環境化学討論会は、大気、水質、土壌、生物、廃棄物、食品、生活用品などの分野で、動態、分析、反応、物性、毒性、衛生、処理、情報、観測などの観点から、化学物質による汚染や環境計測・保全・改善等に関係する研究発表が対象となっています。

発表演題数は、発表全体: 311題、口頭:142題、ポスター:189題、学生賞審査ポスター:22題であり、今年は例年と比較して、口頭発表が増加しました。

一般発表は、ダイオキシンは減少し、POPs、PCB処理、水酸化PCB代謝物、リン系・塩素系・臭素系難燃剤、PAHs、ハロゲン化PAHs、有機ハロゲン、環境ホルモン、有機スズ、PPCPs、農薬、放射性物質、震災関連、越境汚染、PM2.5、途上国での汚染実態などに関連する分析技術、挙動、毒性、代謝物、処理技術等などの発表が主となりました。
また、TOFMSによる網羅的解析ノンターゲット分析やLC-MS技術の進展なども多くみられました。
アカデミックな分野としては、化学物質や対象分野の広がりを含め、研究分野の広がり・国際化を感じさせる討論会となりつつあるような印象を受けました。

一般発表のほかに、特別講演、受賞講演、国際セッション International Session、自由集会・フリーミキサー、学生賞表彰、ハイライトセッション、ランチョンセミナー、企業展示等が行われ、懇親会では京都ならではの舞妓さん芸妓さんをお招きして活気のある討論会でした。

近年、当討論会では、ダイオキシン類など有機塩素系化合物から有機臭素系難燃剤、そして有機フッ素系のハロゲン化合物へ、重金属微量元素等から様々なPPCPs等へ、また、発生源低減からヒトや生体影響、生体内代謝物、さらに挙動解析や予測モデル等へと研究テーマや関心が広がりつつあります。

当社ではこの討論会に毎年継続して、複数題の研究発表を行ってきています。
国内外の研究者とのネットワークも多数構築でき、最前線の研究活動や情報交換を行うことができる場となっています。
今後もこうした、学会への参加を通じて、分析機関の一員として、最前線の研究を継続支援していきたいと考えております。